「国際協同組合年と協同労働」研究会:世界の社会的協同組合の動向
協同総合研究所「国際協同組合年と協同労働」研究会
■テーマ 世界の社会的協同組合の動向
-イタリア・ヨーロッパ・そしてアジアへ 法制定に関わって-
■日 時
2012年3月22日(木)13:30~16:30
■会 場
日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会本部
東京都豊島区池袋3-1-2光文社ビル6F
■講師
岡安 喜三郎さん(協同総合研究所 理事長)
■報告者
土屋 貴子さん(日本労協連国際部、協同総研会員)
講師からひと言
現在、日本でも社会的企業に対する関心が広まりつつある。労働統合の社会的企業(WISE)の制度が日本に定着するか否かは今後の日本の生命線でもある。経済成長を前提とする雇用拡充は結局二極化を生むに過ぎないことが明らかになりつつある中、経済成長を前提としなくとも誰でもがその能力に応じて就労できる社会は、市場経済と雇用制度の枠を超えてオルタナティブな制度を必要としているからだ。
一方、イタリアに始まり、ヨーロッパ、中南米に広がってきた社会的協同組合の法制度は、昨年末成立した韓国の協同組合基本法の中に組み込まれ、アジアにも新しい波が起こっている。また、昨年11月のICA(国際協同組合同盟)カンクン総会時のCICOPA総会では、「社会的協同組合の世界基準最終案」を採択し、今後ICAとして確認する予定である。国際協同組合年に相応しい動きがこの社会的協同組合にある。
実は、ヨーロッパ型社会的企業は、労働者協同組合や社会的協同組合がリードしてきたことは周知のことである。協同労働の協同組合法の制定前夜に、社会的協同組合の制度を日本おいてはどのように実現することになるのか、これが研究会の眼目である。そのためにあらためて歴史とともにイタリアの協同組合制度(民法典含む)における社会的協同組合の位置、これと対比した韓国の協同組合基本法における社会的協同組合の位置および社会的企業育成法と社会的協同組合法との関連、等々を分析する。
講師プロフィール・・・
1948年生まれ。東大生協専務理事、全国大学生協連専務理事・同副会長、日本生協連理事、ICA(国際協同組合同盟)アジア太平洋地域大学生協小委員会初代議長等々を経て、2000年から協同労働運動へ。協同総合研究所理事長、日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会副理事長、生協東京高齢協副理事長。
■主 催
協同総合研究所
■参加費
一般:1000円
協同総研会員・学生・障がい者:500円
■問合せ・申込先
協同総合研究所
東京都豊島区池袋3-1-2光文社ビル6F

TEL 03-6907-8033 FAX 03-6907-8034
E-mail kyodoken@jicr.org
URL http://jicr.org
労働者福祉中央協議会会長で、前連合会長の笹森清さんが「協同労働法制化市民会議」の会長に就任することになりました。
2006年に入ってから、8ページ立てのILOの協同組合振興勧告パンフ「2002年採択以降実施された行動」が、ILOとICAとで共同発行されています。その中の各国報告(「5.Selected outcomes」)では、日本での動きについて「各研修機関がILO勧告をカリキュラムに入れている」話題と,「この勧告を使って労協に関する新法制定運動を推し進めている」話題の2つが出ています(5ページの中程)。国際機関の認知はスムーズですね。ILO駐日事務所前代表堀内さんのお力添えかも知れません。
3月16日(土)午後5時半から、明治大学駿河台校舎リバティーホールにおいて、『「協同労働の協同組合」法制化を求める市民のつどい』が約300人の参加者の下、開催されました。この集会は「協同労働の協同組合」(=ワーカーズコープ)を位置づける法律を日本で制定することを目指す「協同労働法制化市民会議(永戸祐三会長代行)」が主催したものです。この集会はまた、世界中で約100カ国、200以上の組織と約8億人にものぼる組合員を組織している国際組織(ICA:国際協同組合同盟)の会長、I・バルベリーニさんを迎えて、世界中でのワーカーズコープの歴史と現状、可能性を学び、日本における法制化の促進を内外にアピールすることを目的として企画されました。