1/14研究会「食・農・環境の地域自給からTPPを超える」
東北大震災と福島原発事故を経て、多くの市民が従来の成長型から脱成長型のあたらしい生き方を模索し始めたなか、十分な国民的議論がなされないままに民主党・野田政権によってTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉参加への意向が表明されました。震災以前より厳しい状況にあった国内一次産業への更なる厳しい影響とともに、各産業や私たちの暮らしにもたらされる影響はいったいどういうものなのでしょうか?
今回は農林中金総研の蔦谷さんにお越しいただき、お話を頂きます。TPPがもつ意味と食・農・環境分野からの地域循環型・地域自立型社会のあり方についても考えたいと思います。皆さん、ぜひご参加ください。
講師からひと言
現代資本主義がグローバル化を一段と強める中で、過剰流動性と過剰生産という本質的な矛盾が、ソブリンリスク(国家信用危機)を引き起こすとともに、TPPをはじめとする貿易自由化圧力を強めており、さらに危機を拡大しつつある。
すべての産業は社会的共通資本の存在が不可欠であり、特に農業においてはコミュニティや自然・農地といった分厚い社会的共通資本なくして存立は不可能である。その農業が産業としてのみ語られ、TPP等により市場原理・競争原理にさらされるほどに社会的共通資本は貧困化し持続性を喪失するとともに、食料安全保障までをも脅かされかねない。
社会的共通資本を容易に実感可能な農業という領域で、農業を再生し食・環境と一体化させ自給度を高めていくことは、国内農業の維持ばかりでなく、包括的分野での完全自由化を目指すTPPに象徴される“むき出しの競争世界”への最大の対抗手段でもある。今こそ足場を地域に置き、地域レベルでの自給・自立の度合いを高めていくとともに、これらをネットワーク化して国際的にもあらたな潮流を生み出していくことが必要とされる。
講師プロフィール・・・1948年生まれ、宮城県出身。東北大学経済学部卒業後、71年、農林中央金庫勤務。農業部副部長等を経て、96年、㈱農林中金総合研究所基礎研究部長、常務取締役、2005年6月から特別理事(現職)。主要著書に『「農ある地域」からの国づくり』、『日本農業のグランドデザイン』、『食と農と環境をつなぐ』など多数。
講 師:蔦谷 栄一さん(農林中金総合研究所・特別理事)
日 時:2012年1月14日(土)13:30~16:30
会 場:日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会本部
東京都豊島区池袋3-1-2光文社ビル6F(池袋駅徒歩7分、要町駅徒歩2分)
参加費:1000円 (一般)
500円 (協同総研会員・学生・障がい者)
主催・お申込み先:協同総合研究所
TEL 03-6907-8033 FAX 03-6907-8034
E-mail: kyodoken@jicr.org