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2006年07月24日

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ワーカーズコープアスラン 第7回総会のご案内

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編集プロダクションの争議から生まれ、出版業界で働く多くのフリーランスの人々と共に仕事をつくり、労働条件の改善・安定化を目指して事業を行っているワーカーズコープアスランが、第7回の総会を開催します。

スタートから3年は赤字経営で、一時は存続をめぐっての論議もありましたが、次第に安定し、新しい企画や常勤組合員も増えています。

この機会にぜひ、アスランの活動に触れ、ご支援・ご協力をいただければと思います。

  • 日時:8月1日(火) 19時~21時
  • 場所:千代田区和泉橋区民館4階B・C会議室(地図
  • 議題:1)2005年度の活動を振り返って 2)決算報告および監査報告 3)2006年度事業報告 4)活動方針 他

2006年07月11日

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東京高齢協 平和と文化の集い’06

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生活協同組合・東京高齢協が今年8月6日に「平和と文化の集い’06」を開催します。この「集い」は 年前より東京高齢協の行事として行われているものです。

今年は、高齢協創立10周年記念行事として、東京大学の姜尚中氏を迎えての記念講演ほか、トークセッション、落語、合唱などさまざまな形で平和の問題を考える内容となっています。

協同総研の岡安専務もトークセッションに参加します。ぜひ多くの方のご参加を。

東京高齢協みんなの広場へ



  • 日時:2006年8月6日(日)
       開場12:30 開演13:00
  • 会場:豊島公会堂(地図
  • チケット:前売:一般1000円 高校生:700円  
         当日:一般1200円 高校生:700円
  • チケットのお申し込みお問い合わせは
      TEL:03-5978-2186 FAX:03-5940-0732 メールはこちら

【内容】
  • ご挨拶:東京高齢協理事長 田中学
  • 講演:東北アジアの平和、日本の未来
         姜 尚中(東京大学教授)
  • トークセッション:平和を作る人それぞれの世代から
       小森香子・畠山重興・安天 聞き手:岡安喜三郎
  • 落語:林家鉄平
  • 合唱:三多摩青年合唱団
  • 歌:岡史明   
  • 朗読:無言館を訪ねて
  • 朗読劇団:八月座

2006年07月06日

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アルゼンチンの「回復工場」fabrica recuperada

 7月4日(火)イエスズ会社会司牧センターが主催するセミナー「アンソレーナさんと“開発”を語ろう―“貧困と絶望を乗り越えて”途上国の住民運動の最新情報―」に参加しました。
 このセミナーは、アルゼンチン出身のイエスズ会司祭であり、世界各地のスラムで住居環境改善に取り組む住民組織やNGOを支援しているホルヘ・アンソレーナ先生(1994年マグサイサイ賞受賞者)が、毎年1年の半分をアジア・アフリカ・南米の各地を回って得た最新情報を4月から7月まで月に1回(計4回)、報告されるものです。
 私(菊地)は、3、4年前からこのセミナーに参加していますが、今年は6月の「ジンバブエ」と7月の「アルゼンチン・ブラジル」の回に参加させていただきました。



 今回のセミナーの報告の中で特に関心を持った、アルゼンチンの失業者による労働者協同組合方式の自主生産運動、「回復工場(fabrica recuperada)」の運動について、まとめてみます。この間、ICAやCICOPAなどを通じて、南米の協同組合運動の発展が伝わってきていましたが、特に厳しい経済状況にあるアルゼンチンで、多種多様な住民運動が花開き、失業者の運動として労働者協同組合が拡大していることを具体的に知って大きな感銘を受けました。

 以下、当日のノートからの抜書きです。

 アルゼンチンでは、2001年の通貨危機による経済崩壊で何千もの工場が破産し、何百万人もの労働者が失業した。2001年から2002年にかけて人口の53%が貧困層となったと言われる。  「回復工場(fábrica recuperada)」とは、破産して閉鎖された工場を労働者が再稼動させる取り組みで、約200の工場が労働者によって協同組合の形で操業されている。

1)労働者の非常事態

  • 工場経営者は、利益が得られなくなると賃金や社会保険を払わない。破産すれば工場を閉鎖して、機械設備を売却。→労働者が賃金不払い訴訟を起こしても3~5年かかり、しかも僅かな補償しか受けられない。
  • 彼らが仕事を見つけることは不可能に近い

2)破産工場から回復工場へ
  • 労働者は賃金不払いに対してストライキ権を行使し、工場に入って占拠、機械設備を守る
  • アルゼンチンの破産法では、労働者が操業を受け継ぐ可能性が与えられている。――裁判
  • 工場と機械類を経営者から借り受けるため、裁判所に提訴。場合によっては数年かかる。しかしこれが唯一の可能性。
  • 国・州・市の代議士へのロビー活動を通じて、工場の収用を求める。ただ、実際には政府が買い取るより労働者自身が操業し、利益から買い取る方が多い。

3)「回復工場」の主役は労働者
  • 一般に工場で働いている人に払われる給料の7、8割はマネージャーの手に渡る。「回復工場」にはマネージャーはいないので、全収益は労働者に平等に分配される。
  • 「回復工場」は利益を目的としていないので、税金は免除される。
  • 「回復工場」のモットーは“家族を養うことが出来ればそれで十分だ”。これは、アジアの農民運動にも共通する。
  • 工場の顧客は、注文時に先払いする(資本がないため)。外部からの借金をしない。
  • 工場の運営に関する重要な事柄は、全て集会において自主的に決められ、労働者の中から選ばれた管理者によって運営される。2001年以降、みんなで話し合ってより直接的に決める方向へ。→住民運動的。政治家や組合に任せず、直接参加。
  • 資本金がほとんど無の状態から、多くの努力が積み重ねられ、工場は再開し生産している。
  • 2005年現在、約15,000人の労働者が働いている。
      ex.Zanon陶器、Bauenホテル
  • 活動が広がり、いくつかの連合会が結成されている。なかでもMNER(Movimiento Nacional de Empresas Recuperadas)が最も大きい。ピケテロスなども「回復工場」を支援している。
  • 2005年10月、ベネズエラのカラカスで、南米各地から「回復工場」の代表者1,000人が結集し初めての交換会が開かれた。

4)Luis Caro氏は回復工場法案について語る
  • 「回復工場」の運動をリードする弁護士のルイス・カーロ氏によれば、現在200の工場が操業しているが、労働者は多くの努力が求められる→地主の訴えで工場が撤去されることも。
  • もっと容易に工場で再び働くことが出来るようすることが喫緊の課題であり、新しい法律を準備している。内容としては、労働者が優先的に工場を受け継ぐ、未払いの賃金についても考慮する、など。
  • 法案は衆議院を通過し、参議院で審議中。
  • この法案が通れば、5,000の工場が再開し、50万人が働くことが出来る

 最後に、NHK-BSの回復工場のドキュメンタリー「労働者たちの“企業再生”~アルゼンチン~」を観ましたが、非常に興味深いでした。冒頭で再び操業を開始した冷蔵庫工場の開所式のところでは、ICAのバルベリーニ会長の姿も見ることができます。
 アンソレーナ先生にダビングしていただいたので、ぜひ皆さんにも観ていただきたいと思います。

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