協同労働法制のニュー・バージョンの必要性
日本における第3セクターの研究と交流を目指し、協同組合、労働組合、NPOなどの研究所が中心となって昨年発足した「社会的企業研究会」の第11回の研究会で、協同総研顧問でもある石見尚さん(写真)が、「協同労働法制のニュー・バージョンの必要性」と題して報告を行います。
ご興味のある方は、主催者にご連絡の上、是非ご参加ください。
と き 4月10日(月) 13:30~15:30 ところ 東京労働会館7F 「ラパスホール」
東京都豊島区南大塚2-33-10 JR山手線・大塚駅(南口)下車、徒歩5分。報告者 石 見 尚 氏(日本ルネッサンス研究所) 講演テーマ 協同労働法制のニュー・バージョンの必要性 報告と討議 資料代 500円
《共同事務局連絡先》
・連合総合生活開発研究所 TEL03-5210-0851 FAX 5210-0852
・市民セクター政策機構 TEL03-3325-7861 FAX3325-7955
【以下は石見尚さんからのメッセージです】
経済のグロ→バリゼーションにたいする日本の企業の生き残り対策はほぼ完了しつつあるようである。
ICAはグローバリゼーションにたいする対抗策に苦しんできたが、モンドラゴン協同組合は現実対応策として、119のうち18の基幹工場は、中国、ブラジル、インド、メキシコ、英,独、仏、タイ、チェッコ、アルゼンチンなどに国際展開し、アンブレラ組織として、全従事者7万人のうち、海外従事者は9,000人になり、売上高も就業者数も上昇している。
*Anjel Mari Amozarrian :Mondragon Cooperatives and Globalisation
今日、社会的企業は「新自由主義」の動向に対抗戦略を採らざるをえない。日本の協同組合界は「新自由主義」の構造改革とそれが進めるグローバリゼーションにたいして出遅れ、守りの姿勢に終始し、将来について明るい展望を描けないでいる。それは、対抗戦略を構築する上で必須である強力なワーカーズ・コープ(コレクティブ)を欠いているからではなかろうか。
新自由主義による経済のグローバリゼーションにたいする対抗戦略と方策については、すでに下記の刊行物で提起してあるので、それを前提にして報告する。
- J.ロバートソン著、石見尚、森田邦彦訳「21世紀の経済システム展望」(1999)
- J.ロバートソン著、石見尚、高安健一訳「新しい貨幣の創造」(2001)
- 石見 尚、野村かつ子著「WTO-シアトル以後」(2004)
標記の論題は、新自由主義に対する対抗戦略として協同労働の社会システムを強化し、ひいては日本の協同組合が社会的企業として第4世代に深化するための問題提起である。そのためには、理論だけではなく、現場の体制整備が必要となる。そのため、3つのプロセスを考えざるをえない。今回はPARTIに止める。
- PART I ワーカーズ・コープ(コレクティブ)の現状(自己)評価(「協同の発見」162号、拙稿と関西地域会員研究集会ポスターセッションも参考のこと)
- PART Ⅱ 地域協同組合の事業と組織の構想
- PART Ⅲ 協同労働の新法制