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5/16(土)「中山間地域の再生と協同労働の可能性」

「冷凍ギョウザ事件」以降、日本の食をめぐる安全性や著しく低い食料自給率の
問題等が、国民的話題となっている中、食を通じた「農業」問題が
社会的課題として大きく浮上してきている。
他方で、夕張市の財政破綻など、地方の疲弊とその再生が広く
認識されており、「食料・農業」への関心と「地方」への関心の交差するところに、
今日の「農山村・中山間地域存続」の課題が位置付けられようとしている。
 小田切先生は、著書の中で『過疎・中山間地域のみならず、農山村地域
全般の空洞化(人、土地、ムラ、誇りの空洞化)が著しく加速化し、
「農山村の存続」が国政課題となっている。
その一方で、空洞化に抗する新しい地域づくりが2つの領域で進んでいる。
第1は、雇用機会や所得の減少に抗する新たな経済構造の形成であり、
第2はムラの空洞化に対する新しい地域コミュニティの再編・構築の動きである。
いま、農山村は解体と再生の攻防の最中にある』と延べ、農山村再生の課題として、
『①新しいコミュニティの構築-「手作り自治区」、②新しい地域産業構造の構築
-4つの経済「第6次産業型経済」「交流型経済」「地域資源保全型経済」
「小さな経済」、③地方中小都市の地域拠点としての再生、④地域の取り組みの
体系化-「場づくり」「条件づくり」「主体づくり」』の4つの課題を提起している。

 なかでも、①の「手づくり自治区」の法人化、制度化にあたっては『協同組合
組織が最も適合的』と、協同組合に期待を寄せており、また「協同労働の
協同組合」に対しても『ワーカーズ協同組合法」については、全中の会議等で
その内容を少しお聞きしておりました。協同組合論は専門ではありませんが、
農山村政策論の立場から「小さな経済」「小さな協同」を主張している者として、
大いに期待しております』と、協同労働の法制化への期待も延べられている。

 今回の研究会では、農山村・中山間地域の再生の課題とは何か。
協同組合、そして「協同労働の協同組合」が果たすべき役割とその可能性について、
小田切先生よりご講演いただき、参加者の皆さんと一緒に考えていきたいと
思います。会員以外の方々も、ぜひご参加ください!

■講師プロフィール(おだぎり とくみ)
 1959年 神奈川県生まれ。東京大学農学部農業経済学科卒、
1988年東京大学大学院博士課程修了(農学博士)、同年より
(財)農政調査委員会専門調査員、同年東京大学農学部助手。
高崎経済大学経済学部助教授、東京大学大学院助教授を経て、
2006年より明治大学農学部教授(農業経済学科農村政策論研究室)、
現在に至る。
2007年より日本学術会議・連携会員、内閣府地域活性化
統合本部:戦略メンバー、総務省:第29次地方制度調査会委員、
過疎問題懇談会委員、国交省:過疎集落研究会座長等を歴任。

■専門分野:農政学、農業・農村政策論、地域ガバナンス論
■主な著書:「中山間地域の共生農業システム」(農林統計協会、
2006年、共著)、「実践・まちづくり読本」(公職研、2008年、共著)、
「日本農業-2005年農業センサス分析-」(農林統計協会、2008年
編著)など多数
■会 場:日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会大会議室
     東京都豊島区池袋3-1-2 光文社ビル6階
     JR池袋駅 歩10分/地下鉄要町駅 歩3分
■参加費:協同総研会員・学生 500円 
       一般 1000円
■主催・問合先:協同総合研究所
     東京都豊島区池袋3-1-2 光文社ビル6階
     TEL 03-6907-8033 FAX 03-6907-8034