4/5(土)「国家とは何か」現代の日本社会をどう見るか?
「国家とは何か」とあらためて問われても、何を問われているのか
分からないほど、私たちは国家を身近なものとして感じています。
最近の事件でも、イージス艦による漁船衝突事故と防衛省の対応、道路特定税源を
巡る利権構造、薬害肝炎訴訟、教育基本法改定、沖縄基地の再編、牛肉輸入再開、
社会保険庁・年金問題、郵政民営化など公共サービスの民営化の急速な進行等々…。
私たちの日常生活と密接不可分であることを実感しない日はありません。
萱野氏は、この身近と思っている国家が、実は基本的には『暴力に関わる一つの
運動態である』という概念規定から論を始めています(それは、従来の国家論である
『階級対立の非和解性の産物』(レーニン)、『市民社会の公的総括形態』(マルクス)、
『政治社会+市民社会、強制の鎧を付けたヘゲモニー』(グラムシ)等とは一線を画す
概念規定です)。
近年、『新自由主義』(D.ハーヴェイ)など、グローバリゼーションと同時にナショナリ
ズム等への関心が高まっており、国家に関する議論が注目されています。
今回の研究会では、「新しい公共」の本質的理解を深めていくためにも、「国家」の
概念規定から、この現代の日本社会で起こっている事態をどう見るか。
萱野氏と一緒に考えていきたいと思います。ぜひ、ご参加ください!
■日時 2008年4月5日(土) 13:30~16:30
■会場 コア・いけぶくろ(豊島区民センター)4階第5会議室
■講師 萱野 稔人氏(津田塾大学 国際関係学科 准教授)
■プロフィール
1970年生まれ。2003年パリ第十大学大学院哲学科博士課程修了(パリ大学哲学博士)。
東京大学大学院総合文化研究科21世紀COE「共生のための国際哲学交流センター」研究
拠点形成特任研究員を経て、現在、津田塾大学 准教授。
■主な著書
『国家とはなにか』(以文社、2005)、『カネと暴力の系譜学』(河出書房新社、2006)、
『権力の読みかた-状況と理論』(青土社、2007)など。