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ニート・社会的ひきこもり集会に参加しました

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 2月11日、三鷹で行われた「第2回ニート・社会的ひきこもり支援者全国実践交流集会」に参加しました。午前中はパネルディスカッション「若者支援の現状と課題」です。印象に残ったことは、「自立よりも参加の支援が必要」(文化協同ネットワークの佐藤洋作さん(協同総研理事))、「当事者の生存権、発達権が守られる支援であるのか」(大阪体育大学助教授の山本耕平さん)、「企業も地域の中で生活しているのだから、若者を正規雇用して育てるべき」(三鷹ハローワーク廣瀬誠人さん)、「ひきこもりには複合的な要因があるから、地域の中での組織ネットワークが必要だ」(放送大学の宮本みち子先生)という言葉でした。
 午後はテーマ別実践交流会で議論を深めました。私が参加した「仕事づくりと雇用」の会では午前の議論を受け「①企業以外の場所でどう働く場を作っていくのか、②失敗が許されない、長時間労働の職場環境が展開されている社会をどうするか、③働く場と支援の場をどうつなげるか」について考えました。

 労協からは東京事業本部の高成田健さんが、非効率だけど常勤・非常勤皆で話し合い、地域の中で仕事を広げる労協のあり方を話し、若者自立塾の小椋真一さんは、「若者の受け入れだけではなく、卒塾生みんなで地域に必要な仕事を起こせれば」と希望を語りました。
 協同総研の会員でもあるNPO法人「結」の黒田誠さんも報告者として、誰もが安心して住めるまちづくりを目指して食事配食「浪漫亭」を設立し、シングルマザーや障害者、若者を受け入れてきた過程を話しました。
 他には中小起業家同友会の小柳忠章さんが企業の視点からの若者の採用について語り、障害者の生活と労働を支えてきた麦の郷の田中秀樹さんが、麦の郷の仕事開発の特徴などについて話しました。
 会場からは、活動の後継者をどう育てるのか、どのように仕事をおこしていくのかについての質問がありました。議論からは、若者だけではなくて皆が地域で生活できること、人が発達する職場づくりをすること、社会全体でお金を得ることが厳しくなっているので、横のネットワークをつくり政府に働きかけていく必要があるといった意見が出されました。
 二日目には、協同総研会員のNPO法人くらしえん・しごとえんの鈴木修さんが「ジョブコーチングの方法」で講師を務めました。
 私は若者の支援には直接関わっていませんが、若者の立場(26歳)から、こんなにも多くの方が若者の支援に試行錯誤しながら活動し、この社会に疑問を投げかけ、若者の人間的発達や社会参加について考えていることに驚きました。私は前の会社では「全て自分次第、自分を高めろ」というプレッシャーの中ひたすら努力をしました。1年しかいなかったけど、深すぎて一番印象に残っている1年です。逆に仕事ができない人はその人に原因があると思っていた節がありました。しかしこの集会に参加して、こんなに多くの支援の輪があることを知り、多くの苦しんでいる若者(宮本先生が指摘した「情報のない若者」)にもこの支援の輪の存在を知らせたい、自分を責めないで欲しいと思いました。