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2006年度版国民生活白書でワーカーズコープが紹介されました

graph1.gif6月20日に発表された2006年度版「国民生活白書」の中で、「資本と労働を持ち寄る新しい働き方」というコラムでワーカーズコープ、ワーカーズコレクティブの働き方や実勢が紹介されています。

国民生活白書は、内閣府が毎年1回まとめて発表する、国民生活全般についての動きや変化を分析した年次報告書で、特に、消費者物価指数、家計調査、給与統計、雇用統計などを中心に、生活のあらゆる側面から国民生活の実態を解明しているものです。毎年テーマを決めて、国民生活についてある切り口から特集を組んだ雑誌みたいなイメージですね。

ちなみに、これまでのテーマは、

  • 2005年度版「子育て世代の意識と生活」
  • 2004年度版「人のつながりが変える暮らしと地域-新しい「公共」への道」
  • 2003年度版「デフレと生活-若年フリーターの現在」
ということで、社会的な関心が反映されているものです。

で、今年のテーマは「多様な可能性に挑める社会に向けて」です。「多様な可能性に挑める社会」とは、「第一は、挑戦の機会が広く開かれている社会、第二は、多様な選択肢が選べる社会、第三は、希望が実現しなくても再挑戦できる社会」と猪口少子化・男女共同参画担当相は白書の冒頭で述べています。(「再挑戦」と聞くと某党総裁候補を思い浮かべますが)いずれにしろより公平・透明な市場ルールの下で、競争力を高めていくことが個々人に求められているということを強く示しているように思います。

graph2.gif白書では主に適職を探す若年者、育児期の女性、人生を再設計しようとする高齢者をターゲットに、職業生活、家庭生活、地域活動それぞれの現状と障壁について分析が行われていますが、ワーカーズコープについてのコラムは[第3章 高齢者の人生の再設計]の(第2節 高齢者の就業:意識と現実)の中に収められています。以前、日経新聞の記事で取り上げられたのと同じように、高齢期の働き方のひとつの可能性として示されていると言えます。

白書の中では、「北海道のあるワーカーズ・コープ」として、ワーカーズコープ札幌が紹介されていますが、特にワーカーズ・コープは男性の割合も高く、「その自由な働き方は大きな可能性を持っているのではないだろうか。」と結ばれています。

また、新聞等での報道ですが、共同通信の配信で東京新聞等で以下の記事が掲載されています。

社会貢献しながら収入も 退職者が協同組合活用
 内閣府が20日公表した2006年版国民生活白書は、高齢者が退職後も働き続けるための新たな形として、仲間同士が資金と労働力を持ち寄る労働者協同組合(ワーカーズコープ)を取り上げた。社会貢献をしながら収入も得る働き方で、参加者が増加。団塊世代の大量退職を控え、白書は「地域社会活性化の担い手としても期待される」としている。

 白書などによると、労働者協同組合のうち、中高年層などの仕事づくりを目指した事業団から発展したワーカーズコープは2005年度で76団体あり、計4万人以上が参加。一般企業の売上高に当たる事業高も約215億円と前年度より2・4%伸び、特に介護・福祉関連が増えた。
(共同) (2006年06月20日 18時18分)
http://www.tokyo-np.co.jp/flash/2006062001002437.html