新年のあいさつ

2024年は「民主主義の危機」とともにその意味を深く考えさせられる一年でした。アメリカ大統領選挙では、その対抗軸となったのが雇用環境の悪化をはじめとした「経済」問題でした。多くの人びとにとって、まずは今の自分の身を守ることで精一杯という切実な実態が赤裸々になり、民主主義は「社会の門前で立ちすく」んでいます。しかし、民主主義と経済はどちらか一方を「選ぶ」ものなのでしょうか。問うべきは経済民主主義の姿と実現可能性ではないでしょうか。その具体像を地域の暮らしの中から紡ぎだす「希望の島」としての協同組合の存在意義を探求し、実践と研究を架橋する協同総研の真価がますます問われていると感じています。
会員及び関係者の皆様のますますのご活躍とご健勝を祈念するとともに、変わらぬご支援、ご協力をお願いし、新年の挨拶とさせていただきます。

2025年元旦 一般社団法人協同総合研究所　理事長　大高研道