「「人類史的危機」の時代における労働者協同組合法の制定・施行の意義を問い、次なる社会を構想する協同労働研究の新たな地平を切り拓く」ことを活動テーマに定めた2023年度は、多様な分野で活躍する団体・人々との交流を深める一年となりました。労協法施行から一年強、2023年12月11日時点で設立された労協法人は66団体、連合会は2団体となっています。

 事業内容も人々も本当に「多種多様」で、暮らしの中から生まれる市民の想像力・創造力の豊かさに日々驚いています。多様性の時代は違いを認め合う時代ともいえます。その認め合う関係が利害の共通性や感情的な共感のレベルに止まるのか、それとも他者へのケアの思想を伴う「自己内他者」を豊かにする協同に展開するのか。実践・研究の両面においてつながり(協同)の媒介者としての協同総研の真価がますます問われていると感じています。

 会員及び関係者の皆様のますますのご活躍とご健勝を祈念するとともに、変わらぬご支援、ご協力をお願いし、新年の挨拶とさせていただきます。

協同総合研究所 理事長 大高研道