7/8 GARCIA LORCA DE JARDINERIA 造園の協同組合
7月8日9日は、マドリード郊外の造園の協同組合を訪問しました。7/8 「GARCIA LORCA DE JARDINERIA」
スペインの偉大な詩人の名を冠した労働者協同組合。
月曜日に訪問したレガネス市のさらに先にあるフエンラブラダ市どいう街の公園の整備を主に行っている。ただ、事務所はマドリードにも持っていて、地域的には結構広くやっているようだ。現在、男性40人女性10人が働いていて、うち30人が組合員だそうである。はじめにマドリードの事務所、それから車でフエンラブラダまで行き、花畑(東京東部2)の事務所のような資器材置場兼事業所に案内される。ここには人間が乗る大きな草刈機や車の整備のために車を持ち上げる道具(なんて言うんでしょう?)もあって、ちょっとした整備工場のよう。
たまたまそこにいた62歳のおじさんと話をする。このおじさんは、ここの最初の組合員で、15年前から働いているという。その前は建設関係の仕事をしていたそうだ。出資について聞くと、最初に1,500,000ペセタ(約\1,200,000)を出したが、3年働いたら国から全額補助されたというようなことを言っていた。組合員の平均年齢は27歳で、やはりここも若い人が多い。このおじさんはあと3年で引退して年金で暮らすのだそうだ。ちなみに年金の額は150,000ペセタ(約\120,000)とのこと。
フエンラブラダ市は、マドリードのベッドタウンでとにかく住宅が多く公園や遊歩道の類も沢山ある(これはスペイン全体で言えることだが)。それらを全部(一部は後述の「FUENLA JARDIN」)を労協が担っているのだから、たいしたものだ。市内の主だった公園を案内してもらったい、公園の花木についても説明してもらったが、はっきりいってよくわからない。創地さんにでも来てもらえば良く分かるのでしょうが・・・。一見した感じ日本の公園とそう違うようには思えない。ただ、マドリード周辺は夏と冬に雨がほとんど降らないため、水やりが大きな仕事になっていることはたしかだ。また、新興住宅地であるがゆえに、子供が沢山いるので子供のいたずらで公園の遊具が壊されたり花や木が抜かれたりということが絶えないそうで、夏休みになって子供がみんなどこかへ行ってしまうのが一番嬉しいと言っていた。
ここの労協では公園の設計、施工、維持管理まですべて行うとのことだが、先日の「エレチョス」とは違い、実際には維持管理の仕事がほとんどらしい。理事長のフロールさん(女性)ともう一人の専門技術者がいて、あとは作業員のようだ。
昼食を食べた後、別の街の造園屋まで花や木を注文しに行くのに連れていってもらってその後部屋まで送ってもらった。一日外にいたので結構日に焼けたと思う。
ガルシア・ロルカなんて読んだこともないので聞いても仕方ないなと思いつつ、なぜ「GARCIA LORCA」なのか?と一応聞いたのだが、彼の詩が「緑」を称えているところから来ているとのこと。すごく有名なんでしょうね、きっと。
7/9 FUENLA JARDIN 造園の協同組合
7/9 「FUENLA JARDIN」前日と同じフエンラブラダへこの日は電車でいく。この「FUENLA JARDIN」は女性ばかりの協同組合で、できてまだ5年ほど。組合員は5人ですべて女性だそうだ。今は夏で忙しいので男性の労働者も含め12人くらいは働いている。代表はソニアさん。30歳。去年結婚したばかり。女性にはなかなか年齢など聞けないのだが、たまたまそんな話になった。前日の「GARCIA LORCA」と同様、フエンラブラダ市の公園管理などを中心に行っている。
組合を作ったきっかけは、このフエンラブラダ市とINEM(スペインの失業対策官庁)が主催した造園の講座に3年間通って、その後に一緒に通っていた人たちとこの仕事をはじめたそうである。当然、市の後押しがあるとのこと。女性の仕事おこしということで始まっているので、今のところ男性の組合員は受け入れていない。市の仕事の他にも集合住宅(おそらく全住宅の99%は集合住宅だと思われる)と契約して、街路樹や生け垣や芝生の管理も行っている。
自治体の仕事を取ることは難しくないのか2つの協同組合で聞いたが、ことフエンラブラダに限って言えば、競争相手がいないようだ。また、だいぶ前にも書いたと思うが、フエンラブラダは社会党政権で協同組合には非常に理解があるらしい。市内にはまだまだ新しい住宅が建設されており、これらの造園の協同組合の仕事は増えていくだろう。
毎日、夕方になると、公園には人々が集まり、テーブルを出して飲み食いしたり、世間話に花を咲かしたりする。まあ、気候がとてもよいということもあるんだけど、老若男女みんな外で時間を過ごす。公園管理と言う仕事にどの位の位置づけがあるかはわからないけど、公園が彼らの生活の中で非常に重要であることは確かだと思う。(中には毎日のように文句をつけに来る住民もいるそうだけど。)
この日の夜、アナ・ビジャ夫妻の家に夕食に招待される。二人の家はマンションの最上階(10階)でマドリード市内が一望できる。部屋の中にはアフリカ・中南米・アジアの民芸品がところ狭しと並び、ビジャ氏のパイプや飛行機・電車の模型なども飾ってある。ビジャ氏は非常にまめな人で食事のサービスから食後のコーヒーまですべてやってくれる。アナさんが教育したのかと思いきや、彼の両親の教育がよかったのだという。最近ようやく少しスペイン語の会話らしきものが出来るようになってきたので、ビジャさんとも少し話をする。彼いわくこんなに早く日本の労協と交流できるようになるとは思っていなかったとのこと。「永戸さんは、いつも「次回は」と言いながら絶対に(海)外に出てこない」とも言っていました。アナさんにマドリード労協連の人たちの働き方をどう思うかと聞かれ、どういうことか聞いたら、アナさんから見ると日本の労協の人たちは時間は長く働いているかもしれないが、休憩やおしゃべりの時間が長く集中していないように思えるとのこと。どう思います??センター事業団はそんなことはないと一応答えておきました。
なぜか、片山さんと加藤さんの話で盛り上がり、ビジャさんから片山さんにリオハのワインのおみやげを頂きましたので楽しみにして下さい。
そんなわけで(どんなわけで?)今日(10日)からは、スペイン西部のエストレマドゥーラというところに日曜日まで行ってきます。
とここまで書いたら、いきなり秘書のアリシアさんから、エストレマドゥーラ地方は大雨で大変なことになっているから、延期した方がよいとのこと。素直に聞き入れてキャンセルことにしました。7月の後半に行くことになりそうです。今週末は何しよう?
それでは、また。
][<>][<>][ 菊地 謙 ][<>][<>][
東京事業本部の皆様へ (手紙)