第1号議案 2005年度活動報告 |
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はじめに (労協の事業・運動の到達点と協同総研の位置)■労働者協同組合の事業構造の変化 2000 年の介護保険開始以降、「地域福祉事業所」の開設が進み、日本労協連加盟団体の事業全体に占める福祉分野の売上げが増大( 02 年度: 27.1 億→ 04 年度 62.2 億、以下同じ)する一方、労協の事業の中心を歴史的に担ってきた環境緑化 ( 公園清掃等 ) 分野( 49 億→ 36 億)、物流 ( 生協等 ) 分野( 28.5 億→ 24.5 億)の売上げが減少してきている。現在、労協の事業・運動はひとつの大きな転換点にあり、新しく参加する人々の意識や事業に対する社会的な評価も変わりつつあるといえる。 ・地域福祉事業所と介護保険法の改定 最も早くから取り組んだセンター事業団は、【子育て関連】では認可保育園(板橋区)、児童館× 3 (墨田区)、学童クラブ× 2 (八王子)、総合センター× 2 (文京)、児童館(東久留米)、学童クラブ(練馬)、児童育成クラブ(草津)など、【高齢者関連】では、高齢者総合支援施設(墨田)、総合福祉会館(和光)、シニアセンター(那須塩原)、総合福祉施設(矢板)、老人福祉センター(札幌)など、【その他】障害者デイサービス(世田谷)、市民活動支援センター(葛飾)、地域センター× 4 (東久留米)、地区センター(札幌)など、東京を中心に各地で公共施設運営の指定を受けることとなった。また、労協連加盟組織でも、釧路市、群馬県玉村町、長野市、光市などで指定を受け、こんご労協の事業分野として大きく広がっていくであろう。 指定管理者の選定はこれまでの入札に代わり、企画書による提案型(プロポーザル)の選定方式を採用しているため、企画書やプレゼンテーションにおいて、公共施設運営を協同労働の協同組合が担うことの意義をより明確にすることが可能となり、組合員が自ら労協を語り仕事を開拓していくツールとして活用されている。 また、通常 3 〜 5 年の期間で指定されるため、中長期的な事業の発展やそのための人材育成が可能となる。 ・子育て支援の広がり ・事業の多様化〜市民活動支援へ これまでの福祉分野に限らず、指定管理者や自治体からの委託事業として地区センター、地域センターといった市民生活により密着した施設の企画・運営から、市民活動支援センターのような NPO ・ボランティア活動支援、商店街活性化に向けた提案、団地調査、団塊世代調査といった調査・提案業務、空き店舗を利用したコミュニティ・レストランの運営など、これまでの地域福祉の枠から市民生活全般に関わった事業への参入が進んでいる。 ■法制化への期待のひろがり 2004年 9月の日本労協連 25周年「国際シンポジウム―尊厳ある労働の社会的実現へ」、 2005年 11月の「協同労働の協同組合の法早期制定をめざす市民集会」、 2006 年 3月の「「協同労働の協同組合」法制化を求める 3.16 市民のつどい」( ICA 会長のバルベリーニ氏が参加)と、毎年国内外の方々にご参加いただき、市民事業やコミュニティビジネスにおける「協同労働」の法制化を訴えてきた。 集会では、国際組織( ILO、 ICA )、労働団体、商工団体、ワーカーズコレクティブ、協同組合、 NPO 、障がい者団体など、多くの方々が参加・発言し、協同労働の協同組合の法制化を望み・支援する人々の輪が広がっている。 ■協同総研の位置 従来の枠を離れて、労働者協同組合は事業的にも運動的にも大きな飛躍・発展の時を迎えようとしている。事業の内容は、人々の生活や健康・生命を支えるような、人間の本質的なあり方に関わる分野に入ってきている。国や自治体が「民間でできることは民間へ」と公共サービスの丸投げを進め、「公」としての責任を果たさず、競争を奨励することでますます一人一人の人間が孤立していくような社会の中で、「協同して働く」ことの価値を示し、人々が支え合いつながることで、より豊かな地域社会をつくっていくためのエンジンとして協同労働の協同組合は存在している。 協同総研は、労協で働く人々による仕事おこしや政策づくり、大きく広がった事業分野での実践者と専門家・研究者の交流を支援し、協同労働の価値を多くの人に呼びかけ発信し続けていくことが求められている。1.研究所の4つの機能 (1)協同思想と戦略に関わる研究会 1)研究会
2)集会/シンポジウム 協同労働法制化市民会議の集会( 11.25 市民のつどい [ 一ツ橋ホール ] 、 3.16 市民のつどい [ 明治大学リバティーホール ] )の準備に協力し、資料の作成等を行った。 3)プロジェクト ●2004年労協センター事業団組合員・仕事と暮らしに関するアンケート調査 2001 年に行った調査に引き続き、第 2 回目を 2004 年〜 2005 年にかけて実施した。結果については、『協同の發見』 2005 年 10 月号 No.159 に掲載し、報告会を実施した。 4)外部の研究会への参加 外部主催の研究会等に積極的に参加し、他団体・研究者との交流を図った。
日本協同組合学会においては、第 25 回大会( 2005 年 10 月 16 日、山梨学院大)の個別論題報告を島村主任研究員が行い、岡安専務理事も別の個別論題報告の座長を務めた。 (2)地域づくり・仕事おこしの研究と支援 1)『いま「協同」を拓く 2006 全国集会 in 兵庫』の準備
2)地域シンポジウム 労協連およびセンター事業団が主催したシンポに共催、協賛という形で参加した。
3)全国ケアワーカー集会 2006 年 2 月 19 日の日本労協連主催「全国ケアワーカー集会」第 6 分科会「障害者の自立と就労支援」の企画・コーディネートを行った。 4)調査
(3)協同経営・教育の研究と支援 1)職業訓練講座 各県委託の職業訓練講座へ講師派遣を派遣した。
2)学習会・講座等への参加 労協連を中心に、各地の学習会等に講師等を派遣した。
(4) 「協同労働の協同組合」法の研究と制定 1)法制化市民会議の活動 島村主任研究員(法制化市民会議市民会議事務局長)を中心に、幹事会を中心とした活動を行い、協同総研として 11 月と 3 月の市民集会について、資料作成等を行った。 市民会議 Web サイト「協同労働法制化市民会議オープンフォーラム」 ( http://www3.kitanet.ne.jp/~kyodoken/shiminkaigi/ )作成、管理を行った。
(5)会員活動の支援 各地域での会員集会を計画し、関東地域で 10 月 29 日に研究集会 「日本における社会的企業の可能性〜イギリス・イタリア調査を終えて」 を 、関西地域では 11 月 6 日に研究集会 「障害のある人の働く場づくりと協同労働」 を行った。定例となっていた九州・山口地区での集会は実施できなかった。 (6)国際活動 1)訪問・調査 協同総研として、以下の 2 ヶ所の訪問・調査を行い、報告会および『協同の發見』誌上での報告を行った。
2)国際会議等への参加・報告
2.所報およびインターネットによる情報発信 (1)所報「協同の發見」 例年通り年間 12 回の発行を行った。166 2006年 5月 介護保険制度改革の内容・狙い・そして展望 165 2006年 4月 「協同労働の協同組合」法制化を求める 3.16 市民のつどい 164 2006年 3月 障害のある方の就労支援と労協への期待 163 2006年 2月 イタリア協同組合調査報告B 162 2006年 1月 イタリア協同組合調査報告A 161 2005年 12月 イタリア協同組合調査報告@ 160 2005年 11月 障害者自立支援法−どうなる私たちの地域生活− 159 2005年 10月 労協 2004 年仕事と暮らしに関するアンケート調査報告 158 2005年 9月 若者の今と社会的自立のネットワーク 157 2005年 8月 障害のある人たちと共に生きる・働く 156 2005年 7月 憲法の理念と協同の思想 155 2005年 6月 コミュニティ利益会社 (CIC) と社会的企業(その1) 154 2005年 5月 「協同労働の協同組合」における固有権 153 2005年 4月 研究会 社会的企業とコミュニティの再生 152 2005年 3月 講演 株式会社の危機と協同組合 151 2005年 2月 研究会 協同労働者の労働権をとりまく仕組 150 2005年 1月 労働者協同組合セミナー(2003 :ブラジリア) (2)JICR.ORG
3.組織活動 (1) 会員拡大
会員数は、17増、17減の増減なし(購読会員は1増)であったが、団体会員の退会が 3 件あった。入・退会者の内訳は上記のとおり。退会者の主な理由は、高齢のため、会費の滞納(3年)などとなっている。また、団体会員は加入時の経緯が引き継がれず組織体制の見直し時に退会されることになっているようである。新年度以降の会員拡大に努めたい。 (2)理事会活動 1)理事会 【 1 】 2005 年 6 月 25 日【 2 】 2005 年 9 月 17 日(出席 11 委任 13 ) 【 3 】 2005 年 1 月 07 日(出席 11 委任 15 ) 【 4 】 2005 年 3 月 16 日(出席 14 委任 15 ) 【 5 】 2006 年 5 月 27 日(出席 10 委任 11 ) 2)事務局会議/編集会議 第1回7月4日より月曜日ないし水曜日午後に開催。現在までに11回行った。 4.財政 (1)受託調査・研究の取り組み 昨年度に引き続き、外部および労協連関係の調査・研究を受託してゆく方針であったが、センター事業団関連の自治体委託による地域調査等に参加した他、拡大はできなかった。 (2)財務の整理 引き続き、3年以上の会費滞納者等の整理を行った。 5.その他 (1)会員管理
(2)日本協同組合学会
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