7/3 今後の予定ほか
総会が終わって一息ついています。こちらでも私の研修プログラム作りが追いつかなくなっていて、今週はどこにも行く予定がありません。正直すこしほっとしています。考えてみたら、毎日どこかを訪ねて話を聞いて、レポートにまとめることを繰り返していて、どこかでまとめないとならないとも思います。はっきり言って日本にいる時の何倍かのレポートと手紙を書いています。このまま書き続けていったら、中編小説1本分くらいの量にはなるでしょう。まあ、書くことにはあまり抵抗がないからいいんですが。
それはともかく、これからの私の予定が大まかに決まったのでお知らせしておきます。
7/7(火) 「エレチョス」
マドリードから少し離れた、レガネスという町にある造園業の労働者協同組を訪問
/8(水) 「ガルシア・ロルカ」
/9(木) マドリード市内の造園の労協を訪問
/10-13 ポルトガル国境近くのエストレマドゥーラというところの農業の労協を訪問
/15,16 アルガンダという町の「イパティア」(造園)「コムパ」(レストラン)「アラゴネサ」(建設)の労協とそれらがまとまって作る2次的協同組合「ラグナス」を訪問
また、忙しくなりそうです。
こちらで、日経新聞と朝日新聞はリアルタイムで読めるので、時々買っていて、日本の出来事はだいたいわかります。昨日ついでにニフティの新聞のデータベースで神戸の事件の続報を見てみたら、「フォーカス」の顔写真掲載問題でてんやわんやみたいですね。どこぞの3流出版社ならともかく、新潮社という大出版社がやる以上はそれなりの見識があってのことなんだと思いますが・・・?でも、これだけ批判があるとすぐに回収するなんてことになりそうですね。しかし、「少年法の保護の範囲を超えている」なんて言ってまで顔写真を掲載して事実を伝えることを重要だと思うのなら、今後たとえどんなに売れなくなっても100年でも200年でも「フォーカス」を出版しつづけろよな、と言いたくなります。ひとりでいると話す相手もいないのでいろいろなことを考えます。神戸の事件も日本にいるのとではまた違ったみかたをしているような気もします。みなさんいろいろお考えになることはあるでしょうが、私はこんなことを考えました。
少し大上段に言うと、私たちの社会はこの何百年かの間に、善悪や絶対的な価値観といったものが、人間以外のところで定められているという考え方を捨て、すべて人間自身で判断しうるというという考え方を採用してきました。これが理性や合理主義や科学主義を含む「近代化」というもののひとつの側面であるように思います。
それぞれの人がそれぞれの考え方をできるというのは、一面では非常に人間尊重の考え方で、人間の精神や文化を豊かにしてきたと言うことが出来ると思いますが、一方で、「自分」の価値基準で行動する人間が増えてくれば、社会全体のの価値基準はバラバラになり相対的になっていきます。ようするに何が正しいかは自分で決めなければならなくなっているのです。よってある時自分だけの歪んだ正しさを持つ人間が現れることは必然であるのかもしれません。
それにしても、私たちは、他者の生命を奪うことが、良いことか悪いことかをいちいち判断しなければならない時代に生きているのでしょうか?
][<>][<>][ 菊地 謙 ][<>][<>][