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 6/16 EDUCADORES ANTAVIANA 養育放棄された子供たちの施設の協同組合


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 皆さん今晩は、ただいま夜中の12時半過ぎです。今日(正確に言うと昨日)は、私の誕生日。海外で誕生日を迎えるのは始めてです。日本より日付が変わるのが8時間遅いので、8時間分得した気分??。まあ、日本に帰る時にその8時間は奪われるわけだけれども…。誕生日だからといって別にたいしたことはしていません。豚の生姜焼きを作って食べました。それと、スティービー・ワンダーの「HAPPY BIRTYDAY」を聴いています。

 先日、もっとリアクションをくれ、と書いたら、さっそく何人かの方から反応をいただきました。皆さんとてもお忙しいことは百も承知です。しかし、私は個人的な体験だけをするために、はるばるスペインまで来ているわけではないと思っています。せっかくお金と時間を使っているのだから、労協の皆さんにとっても私の研修が有意義に使われることが必要なのではないでしょうか?私が帰ってから私に質問すればよいと思っているならそれでもいいですが…。


 ともかく、今日の活動報告。

 今日は、マドリードの郊外にある「Educadores Antaviana」という一度では覚えられそうにない名前の労協を訪問する。なんでも、演劇のタイトルらしい。説明されたが良く分からなかった。対応してくれたのは、マルティン・ラモスさん。

 ここは、両親がドラッグ中毒などで面倒を見られなくなった子供たちの居住施設。施設というと硬いので、寮みたいなものをイメージしてもらった方がいいかもしれない。この協同組合では、2つの施設に17人ずつ、計34人の子供たちが暮らしている。部屋が4つか5つありそれぞれ4人ずつぐらいが暮らしている。私が訪れた施設は、住宅街の中のアパートの一階部分を借りていて、ちょっとした庭もある。子供たちの年齢は0歳から8歳までで、ちょうど学校の時間だったので、風邪をひいてる子ひとりと、2人の赤ん坊以外はだれもいなかった。

 この事業は、マドリードの自治政府との契約事業で、以前は行政が直接保護する施設しかなかったものを、小規模でより家族的な施設を目指して、1985年にマルティンさんら企画し、行政がその計画に賛同してできたものらしい。よって、資金は全面的に自治政府から出ており、公共のオールタナティブという位置づけのようだ。

 子供たちには、里親を探しているとのこと。子供たちは、家庭環境が悪く、しつけもされていないため、ここで、社会に適応する訓練をしているとのこと。より小さいうちは、親元より良いため、ここの環境に満足しているが、大きくなるに連れ不満も出てくるという。

 それにしても、マドリードだけでこのような親が養育放棄した子供が2,000人もいるというので驚いた。日本での状況はどうか?と聞かれたのだが、これについても私は全く情報を持っていないので、どなたかご存知の方はお知らせ下さい。日本の状況をぜひ知りたいそうなので、何かレポートがあれば送ると約束してしまいました。確か、学生の頃、タイに行っていた時も、ストリートチルドレンの子供たちの施設で同じ質問をされて、答えられなかったような気がする…。いずれにせよ、スペインのドラッグの蔓延は、日本より進んでいるのかもしれない。何せ警察も、ジャンキーが禁断症状をおこすとまずいので完全には取り締まれないとのこと。スペインには、アフリカからの大麻や南米からのコカインが入ってきて、ヨーロッパ各国へ流れていくらしい。

 この、協同組合には現在組合員が10名、非組合員の労働者が10名いるそうである。マルティンさんに協同組合設立のきっかけを聞いたが、要するに子供と付き合うのが好きで、始めたということである。非常に温厚そうな人柄であった。今日はこれ以上どうも話が盛り上がらなくて、早々に引き上げてきた。

以上

]]]] 菊地 謙 [[[[


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