『協同の發見』2000.1No.93
『協同の發見』目次
連合会だより
富田孝好(日本労協連・事務局長)
 青い空にはばたく鳥の、ただ一羽でも飛び立つ力。/
 そして仲間とともに、遙かな旅へと向かう勇気。/
 大きくひろげた翼には、生命力と希望が満ちています。/
 21世紀という未知の時代により多くの命を養い、潤せる社会をつくるために、全国の労働者や  市民とともに活動している日本労働者協同組合連合会。/
 介護・福祉、雇用問題、環境問題など、私たちの力が活きるフィールドは、この空のように無限に 広がっています。/

  新年明けましておめでとうございます。西暦2000年がスタートしました。冒頭で紹介した詩は新年版の「事業案内」にプロローグとして載っています。「協同と共生の時代をめざして私たちは21世紀に向い飛翔します。」と全国の仲間が誓い合い、高らかに宣言するという気持ちを込めて表しました。日本労働者協同組合連合会は、昨年20周年を迎え、2000年の今年は、私たちにとって21世紀へ向かう、新たな飛躍の年です。協同組合運動の原則と原点を大切にしながら、組合員とともに力を合わせて、一歩一歩着実に前進していきたいと思います。先日も協同組合関係の出版物をみていましたら「21世紀というのはどういう時代なのか……。しかし、あれこれ考えているうちに、原則を貫き、夢や希望をみんなの力で実現していく、その連続でしかないのではないか……つまりは、自分の生き方、考え方が本物かどうか、あるいは何が本物なのか、より厳しく試される時代だと……。」という一節に目が止まりました。深くたえず考えなければならないテーマであることを肝に銘じて、今年一年私自身も全力をあげて頑張りたいと思います。

  新年に入り、第11次1・2・3運動が開始しました。この運動は、組合員みんなが労協らしい現場をつくりだしながら、広く社会に労協・高齢協を知らせ、労協法制定への賛同を広げ、集中的にこの1月〜3月期に仕事の拡大に取り組むという運動です。すでに、年頭から決起集会を開催したり、各加盟組織で行動計画等を討議する理事会を開くなどして、成功に向けて力強く第一歩が始まりました。特に今回の運動では、介護保険をめぐって、昨年末に発表した「政策提言」を武器に自治体や関係する諸団体へ働きかけることが重要です。同時に、2000年度政府予算案に盛り込まれた「介護予防・生活支援事業」について、各担当窓口への積極的働きかけが求められます。「新しい福祉社会の創造」をかかげて、この間実践してきている福祉・介護事業について、地域で生活を支え合う総合的な事業へどのように発展させていくのかが問われる内容となります。「働く」と言うことの基本価値と倫理観を「協同労働」の中に追求し深めてきたこの間の実践を大事にしながら、これまでの事業も新清掃方式の導入で示されてきているように新たな段階へ入ってきています。これらをアピールしながら、大きな成果を勝ち取りたいと思います。

  高齢者協同組合運動も、北陸・富山で結成に向けて本格的な準備が始まりました。全国連絡会も2月に今年最初の会議も予定しています。いよいよ、新しい年を迎えて期待と夢をふくらませながら全国の活動が動き出しました。組合員が主人公として、自らの使命と責任を自覚し、頑張る姿を全国でつくりだしていくことを願いつつ……。

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