『協同の發見』2000.1No.93
『協同の發見』目次
研究所だより
坂林 哲雄(協同総合研究所・専務理事)
 吉田省三さん(長崎大学)と共に取り組んだ副読本が完成し、ご注文頂いた方々に郵送しています。セット価格5,400円(送料込)です。
 日本の労協運動との関係も必要だという指摘を受け、その内容を冒頭に書きたしました。また、日本の労協運動をご存知ない方のために、その歴史的経過も加えています。こちらは2年前に『法の科学』に書かせて頂いた時の原稿をほぼそのまま利用しています。吉田先生によれば、英国との連絡を含めて、メールのやりとりは100通以上になっていたそうです。この間、私たちは一度も会っていないし、電話での会話もなかったように思います。長崎と東京ですから、これを電話で行ったとしても、相当な費用になったと思います。まったくすごいことです。私のように研究者ではない者が、このような勉強の機会を吉田さんと共有できたことは、大変貴重な経験でした。
「副読本を作ろう」と決めたのは、10月上旬だったと思います。しかし、いろんな理由があって、私の作業は中々進まず、未完の原稿ばかりがPC内に積み上げられていました。本格的に作り始めたのは、12月の国際企画が終了してからでした。
 何とか、区切りを付けることができたのは、吉田さんの執筆やご協力のおかげです。「はじめに」の部分を執筆して頂いたこともあり、特別の感謝は吉田さんにこそ受けて頂く必要があるにも関わらず、不肖私(坂林)の名前が登場するのみで恐縮の極みです。紙面を借りてお礼を申したいと思います。
 そもそもこの企画自身が吉田さんの発案です。ビデオを授業で利用して頂き、その中から生れたアイデアでした。副読本の中にも吉田さんのアイデアや労作がたくさん入っています。ビデオに登場した人物のメッセージが書かれている「ビデオの主人公たち」は、そのひとつです。直接、吉田さんが、主人公とのメールでこの内容を書かれています。スマのボブ・カネルさんの非常に力強い話やトータルカバリッジのアンジェラ・チキンさんの(労働者)協同組合に対する認識などは、この企画がなければ知り得ないものです。英国労協の微妙な雰囲気が伝わってくるようです。ビデオのシナリオも吉田さんの手によってここに載せられたものです。シナリオは大谷正夫さんに作って頂いたものですが、テープの長さと音入れの関係で趣旨を損ねない程度に変更しています。オリジナルはそういった意味で重要です。リーキン・ケア・コープの内容紹介は、かなり詳細なものですが、吉田さん自身による資料収集と執筆です。地図を付加したのも吉田さんのアイデアです。登場する協同組合のフェイス情報もメールで送って頂いたものを私が貼り付けただけです。
 まったく吉田先生のご協力なしには、この副読本はつくれませんでした。本当にありがとうございました。
 
 12月23日に第3回の理事会を行いました。内容は既にホームページで公開しています。こちらでご覧ください

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