研究所たよりWEB版(69)

2001年11月30日

執筆:菊地謙(協同総研事務局長)

 既にお聞き及びの方もいるかと思いますが、英国のICOM(産業共同所有運動)のthe Co-operative Union(協同組合連合会)との合併に関するニュースが、労協連や協同総研と親交のある、チャーリー・カッテル氏より11/25付で届きました。
 とりあえずメールを翻訳してみましたので、ご報告まで。

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カッテル氏からのメール
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親愛なる仲間の皆さん、

 このニュースに興味を持たれる方もいらっしゃることでしょう。
 昨日、協同組合連合会(英国の消費生協の上部団体)は特別総会を開催しました。主要な提案は連合会と労働者協同組合の全国連合であるICOM(産業共同所有運動)の合同に合意することでした。提案は賛成7,080、反対なしの満場一致で採択されました。ICOMのメンバーは合併について9月の年次総会においてすでに承認していました。
 その結果ICOMは12月1日より事実上存在しなくなります。残ったICOMのスタッフは、マンチェスターの連合会の事務所に移転します。
 この決議は、細目が遂行されるまでの期間を2年と見込んでいます。その間ICOMは、協同組合連合会内で準自治部門として運営し続けることになります。その指導機関―ICOM評議会(Council)―は事実上、連合会中央執行部の小委員会として活動します。
 移行期間中、連合会は「ICOM―労働者協同組合連合と合同した協同組合連合会("The Co-operative Union incorporating ICOM - the Federation of Worker Co-operatives")」と改名されます。
 ICOMの900以上のメンバーは引き続き評議会にメンバーを選出します。連合会内部門としてのICOMは、協同組合総会の1,341票のブロック票を持ちます。
 昨日の特別総会は、連合会の合併と移行期間を可能とする規約の改正にも同意しました。合併組織を完成させる最終期限は5月です。
 合併を合意するプロセスは、協同組合連合会の150年を経た目的や構造を根本的に変えたものにしては、奇妙に波乱のない(muted)プロセスでした。(連合会のBob BurltonとICOMのBob Cannellのそれぞれによって)正式に提案・賛成され、その後の論議やコメントは全くありませんした。合併は挙手によって採択されました。全てのプロセスにわずか15分しかかかりませんでした。

2001年11月25日

チャーリー・カッテル

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なお、カッテル氏とICOMについては、「協同の発見」99年9月号に掲載されていますので、ご参照ください。
なお、何故か?協同総研Webサイトの「協同の発見」バックナンバーの目次ではリンクされていませんが、下記URLよりカッテル氏の報告をご覧いただけます。(リンクは直しておきます)
http://jicr.roukyou.gr.jp/hakken/99/09/Cattelle.htm


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