研究所たよりWEB版(109)

2003年5月29日

菊地 謙(協同総研事務局長)


 なかなか「研究所たより」が書けずにいる菊地です。

 6/8から日本労協連の総会、6/28には研究所の総会を控え、バタバタと慌しく日々が過ぎていきます。

 一昨日(5/27)、菅野労協連理事長や古村事務局長などと連合本部を訪問し、総合局長の高橋さんと連合埼玉事務局長の鈴木さんとお話しをしてきました。

 ご存知の通り、連合とはこの間、「協同労働の協同組合」法制化推進を支援していただいており、ちょうど1年前に行った集会では、笹森会長のご挨拶もいただいたことは、この「たより(93)」でもご紹介しました。
http://jicr.roukyou.gr.jp/tayoriweb/2002/93.html

 今回の訪問の目的は、そういった法制化の運動とあわせ地域で実際に仕事おこしをしていく取り組みを、連合と一緒にできないか、というところから、高橋局長に埼玉連合の鈴木さんをご紹介いただき、問題意識を出し合う機会となりました。

 はじめに、鈴木さんからできたばかりのビデオ「ネットワークSAITAMA21」(だったと思います)を見ながら、連合埼玉が足掛け5年をかけて取り組んできている次世代型の労働運動の方針についてご説明をいただきました。

 これまでの右肩上がりの経済成長が完全に崩壊し、労働組合も大きな変革が求められているとした上で、これまでのように職場での賃上げを中心とした組合活動だけでは、豊かさを実現できず、むしろ家庭での生活者として、また地域社会での市民としてのニーズに対応できるような市民型の組合を目指そうとされているとのことでした。

 具体的には、18万5千人いる組合員のスケールメリットを生かして、「コミュニティ・ファンド」を立ち上げることや、ボランティア活動、NPOサポート活動などネットワーク型の地域社会づくりの取り組みを行うとのことでした。(詳しくは連合埼玉HP)
http://ws1.jtuc-rengo.or.jp/rengo-saitama/

 また、埼玉独特のいわゆる「埼玉都民」の問題や、NPOの労働条件の問題など、話題は多岐に及びましたが、いずれにしても地域で仕事をつくるという点で、協力し合える場面がたくさんあることを確認することができました。

 労協側からは、7月末にさいたま市で仕事おこしとまちづくりのイベントを行いたいので、まずはそこへの協力をしていただくということになりました。鈴木さんは県内での人脈も広く、協力し合うことで様々な可能性が広がりそうです。

 実は今年の5/1に私と岡安専務で連合の中央メーデーに参加しました。(岡安ホームページに写真が載っています)連合のメーデーでは昨年から会場の周辺にテント村をつくりNPO・NGOの人たちも実行委員会に加えてアピールの場をつくり、共同メッセージを発表しています。
http://www.jtuc-rengo.or.jp/new/news/photo/20030501.html

 笹森会長は連合のアルファベット読みを分割して「RE-NGO」つまり市民型組織へ再生する、といった主旨のことをいろいろなところで発言しています。労働組合が地域を変える取り組みや生活の安全や福祉を自らの力でつくりだすことに本格的に取り組む時代が来ているのだと、この日の懇談を終えて思いました。

 今後の埼玉での展開が楽しみです。



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