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協同総合研究所 04年度第3回理事会報告


日時:2005年3月19日(土) 13:00〜15:00
会場:日本労協連4F会議室
出席:<理事>中川、岡安、堀越、菅野、横田、大野、高野、菊地(以上8名)<監事><委任状>15

 中川理事長が議長となり議事が進行した。

【報告事項】

1.前回以降の活動報告

(菊地事務局長)

@ 活動日誌

01/08(土) 協同総合研究所 2004年度第2回理事会(大塚)
01/12(水) アンケート調査集計打ち合わせ(立川:育て上げネット)
01/13(木) センター事業団足立区地域調査打ち合わせ(足立)
01/13(木) 「仕事の発見」討議(大塚)
01/17(月) 第 9回事務局会議
01/25(火) 自治労本部訪問
01/28(金) 「風のすみか」(三鷹)訪問
02/02(水) 法制化市民会議第 5回総会(大塚)
02/03(木) 千葉・自立塾調査(柴山・成東)
02/03(木) 自交労協準備会新春学習会「協同組合の原則と日常運営」(福岡)
02/05(土) 東京ケアワーカー・シンポジウム 2005「当事者発コミュニティケア」 講師・第 1部:高橋紘士さん(立教大学教授) ・第 2 部:播磨靖夫さん( ( 財 ) たんぽぽの家理事長)
02/06(日) 「高齢者エンパワメントシステムの調査・研究事業」報告会(西宮)
02/08(火) CC共済調査打ち合わせ(大塚)
02/09(水) 労協連 専務事務局長会議(大塚)
02/13(日) 「高齢者エンパワメントシステムの調査・研究事業」報告会(博多)
02/14(月) 千葉・自立塾調査(多古・山武・本埜)
02/15(火) CC共済調査集計打ち合わせ(船橋)
02/19(土) 健康とまちづくりのために―地域での栄養・食生活支援を考えあうシンポジウム―基調講演:細谷憲政さん(東京大学名誉教授)
02/23(水) 千葉・自立塾調査(成田空港)
02/24(木) 第10回事務局会議
02/27-28 労協連 合同常勤会議 (箱根湯本)
03/01(火) センター足立地域調査打ち合わせ(大塚)
03/05(土) 子育てシンポジウム「子育て支援のまちづくりを、市民の手で」 記念講演:汐見稔幸さん(東京大学教授)
03/05(土) センター東関東事業本部新人学習会(南浦和)
03/07(月) センター東京事業本部事務局学習会(大塚)
03/08(火) CC共済調査評価(大塚)
03/10(木) センター足立地域調査打ち合わせ(大塚)
03/11(金) 「社会的企業」研究会(法政大)
03/11(金) 首都圏青年ユニオン訪問
03/14(月) 連合本部
03/17(木) 首都圏青年ユニオン訪問
03/18-19 日本労協連若手リーダー研修

A 研究会/シンポジウム

3/5(土) 大阪経済大学中小企業・経営研究所
中川先生 「社会的企業」講演

B 海外調査・国際活動

日本高齢者生活協同組合連合会・全国自立生活センター協議会( JIL )
「高齢者エンパワメントシステムの調査・研究事業」 報告会(西宮)(福岡)

C 所報「協同の發見

    152 2005年3月 講演 株式会社の危機と協同組合
    151 2005年2月 研究会 協同労働者の労働権をとりまく仕組
    150 2005年1月 労働者協同組合セミナー(2003:ブラジリア)


D 調査

  • センター事業団組合員『仕事と暮らしに関するアンケート』
    2001年に引き続き2回目 入力について「NPO育て上げネット」に依頼→ 終了
  • CC 共済 厚労省未来志向研究プロジェクト
     入力について 労協船橋事業団に依頼→ 終了 現在、集計、まとめ作業
  • センター事業団 足立区委託 関原地域商店街活性化調査
     まとめ、報告書作成作業について

Eその他

  • 「社会的企業」研究会について(別紙)
      …月 1 回 協同組合、労働組合、 NPO などの横断的な研究会を開催
  • 自治労、公務公共一般などとの接点
      公共サービス民間委託について研究会

2. 2005年度活動論議のために (方針案)

研究所4つの機能の発展(再録)
  • 協同の思想と戦略に関する研究
  • 地域づくり・仕事起こしに関する研究とサポート
  • 協同経営・教育の研究とサポート
  • 「協同労働の協同組合」法の研究と制定支援
2004 年/ 2005 年の取り組み( 2004.7 以降)<順不同>
  • NPO 法人取得(2004.7)
  • 労協連25周年企画シンポジウム( 7/24 、 9/18-19 )
  • 全国協同集会inながの、およびその報告集
  • 欧州社会的企業の紹介(社会的企業の存在ポイントは、「公益一般」というより、「コミュニティの普遍的利益」への貢献。焦点の転換)
  • 第 2 回センター事業団組合員アンケート集約分析中
  • センター事業団受託の「地域調査」への協力(立川、足立等)
  • センター事業団「仕事起こし講座」等への協力
  • 高齢協連・ JIL (日本自立生活センター協議会)の共同プロジェクト
  • アメリカの高齢者・障碍者のエンパワーメント調査、報告会(兵庫、福岡)
  • 研究会「協同労働者の労働権をとりまく仕組」 厚生労働省「未来志向プロジェクト調査研究」( CC 共済) -- 進行中 兵庫・長野のコミュニティケア共済開始→「 CC 共済テキスト」改訂に向けて
  • 日本協同組合学会への協力(発表、学会誌、 HP 編集)
<未達成課題>( 2004 年方針から見た未達成課題)

× 社会的協同組合のイタリア調査。「社会的経済クラコフ 2004 」欠席。
× 労協(現場)の調査・研究、報告発信
× 「公共サービス研究会」等の推進

「社会的経済クラコフ 2004 」開会全体会議報告より

 「社会的経済プラハ 2002 」に続いて昨年 10 月下旬、「社会的経済クラコフ 2004 」(第 2 回中東ヨーロッパ社会的経済会議)が 846 人の参加で開かれた。アジアから台湾( EU 研究所 3 人)、韓国(労働者協同組合連合会 1 人)が参加した。全体会議では 2 つのキーワード、競争( competitiveness )および連帯( solidarity )が突出したと報告されている。

 「社会的経済の役割はこれから大きくなると我々は信じている。我々は社会的経済企業が社会的な役目を持っていることを知っている。しかし、我々は例えそれが利益駆動型でなくとも競争に晒されるに違いないと強調したい。これは社会的経済企業がうまく経営されなければならないことを意味する。 EU 委員会は社会的経済企業の未来発展の過程に役立つよう強く関わっていく。」( EU 委員会のティモ・スーマ企業局事務総長)

 「社会的経済は、雇用や社会問題を起こす狂暴な経済変化の時代にあって、本領を発揮する。それは連帯の経済であり、二つの重要分野、住宅と健康・医療の分野に提供できる沢山の価値あるものを持っている。」(スタニスラーヴァ・ウルバニャク クラコフ市副市長)

 また全体会議では EMES の「社会的企業の 9 つの指標」 も、規範基準ではないがと断って紹介された。

【 4 つの経済的基準】 (参考)協同組合制度

・継続的な経済活動 協同組合は事業体( ICA 原則)
・高度な自治 自治的アソシエーション( ICA 原則)
・十分な経済リスクの引受 有限責任
・有償労働の最小値の存在 労働者協同組合の制度が該当


【 5 つの社会的基準】

コミュニティのためになるという明示的目的 「地域に役立つ」(法案 ◇注 )
市民グループによる着手 「労働者・市民による」(法案)
資本準拠ではない意思決定方式 一人一票( ICA 原則)
影響を受ける人たちを巻き込む参加型の性格 「複合型の想定」(法案)
利益分配の制限 ←( ICA 原則)
◇注「協同労働の協同組合」法案のこと。この法案は上記基準を十分に満たしている。
協同総研の 2005 年度に向けて

 大きく、労協連は「何をするのか」「何者になっていくのか」に関わる課題を正面に据えつつ。また協同総研の「 raison d'etre 、 presence 」を問いつつ。

【活動の長期的基本軸】を、協同労働法の制定定着と社会的企業の総結集に置きつつ;

  • さまざまなセクタの結節点となる「社会連帯組織」的な研究所
  • 協同労働の実践を広め、協同労働を促進する研究活動
  • コミュニティにおける協同の力をより豊かにする研究活動
  • 地域調査等を通じた、研究者との新たなネットワークの拡大

【戦略課題】の確定/地域の自立・再生待ったなしという局面の中で;

T.協同の思想と戦略に関する研究

  • 欧州の社会的経済、社会的企業、社会的協同組合の調査・研究
    欧州現地視察実施。 CECOP のコンファレンス(研究会)に注目
  • 日本の労協の実地調査実施(アンケート、現地)と社会発信 (主幹:中川雄一郎理事長)
  • 「協同組合のグローバル・スタンダード」( UN, ILO, ICA 等)を紹介し続ける。( 2005.8ICA 調査委員会への参加可能性検討)

U.地域づくり・仕事起こしに関する 調査・ 研究とサポート

  • 各地方自治体と連携した 地域調査・分析。研究者ネットワークづくり
    (行政の受け皿として。足立、和光、神奈川、川崎、大津、柏等々。センター事業団等の生の動きから見出す)
  • 若者の自立/子育て支援、就労支援センターづくり
    学校づくりの検討。何から始めるべきか。
  • コミュニティケア共済( CC 共済)の拡大・定着に向けて(労協、高齢協の連携)

V.協同経営・教育の研究とサポート

  • (連帯)「公共サービスと協同労働」研究会 →「社会的企業研究会」( Interinstitute: 研究所間協同)
  • (発信)労協のベスト・プラクティスの紹介(「守本方式」など)
  • (協力)協同組合学会 (秋の大会は地域福祉か) (春は、アジアの協同組合)
  • 共通課題としての「(労働者)協同組合の 働き方経営問題 」のテーマ

W.「協同労働の協同組合」法の研究と制定運動への参加

  • 労協のモデル定款に沿った各組織の自主定款制定への協力
  • 日本の「社会的企業」調査を行う 。聴き取り含めて。労協連会員の枠を超えて、 NPO 、企業組合、有限会社、株式会社。

(討議)
●<菅野> 日本労協連としては、@「若者自立支援―地域再生就労創出」A「介護予防ケア―コミュニティ・ケア、地域福祉事業」B「住民自治・公共サービス」 を 05年度の課題としている。
  @に関わって、教科書づくり 、大学との連携、事業開発に、Aでは個人と家族の自立支援、Bでは新しい公共づくりにむけた討論に協同総研にも取り組んでほしい。

3. 法制化市民会議について

2/2(水) 第5回総会開催(島村理事欠席の為詳細は略)

4.今後のスケジュール

03/22(火)

ワーカーズコープアスラン理事会

03/24-25

協同総研事務局合宿

03/25(金)

協同組合福祉研究フォーラム「協同組合福祉の第2の地平を拓く」(日本福祉大名古屋キャンパス)

04/09(土)

「社会的企業」研究会(法政大)

04/12(火)

日本労協連全国代表者会議

次回理事会  5月14日(土)予定

2005 年度総会日程  6月25日(土)予定

なお、理事会終了後、同会場で研究会「社会的企業とコミュニティの再生」を行いました。