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センター事業団だより 沖縄における労働者協同組合の活動 佐藤康浩(沖縄県/沖縄開発本部)
沖縄の労働者協同組合運動の始まりは、90年の沖縄協同病院の清掃業務からです。91年にはコープおきなわの庫内作業の委託があり労協の土台を築くことができました。その後、95年沖縄高齢者協同組合を設立し、様々な地域懇談会・ヘルパー養成講座・老人給食宅配サービス事業といった地域に役立つ事業を手がけてきました。 このことがだんだん実を結ぶようになり、2〜3年前から老人保健施設の清掃業務の委託が取れるようになって、現在は、4施設の清掃業務をしています。一方、高齢者協同組合は98年に那覇市から老人宅配給食事業を受託し、その後もヘルパー養成講座などを他の自治体との共催で多数開催しています。99年7月には生協法人を取得しました。現在労協組合員約60名・事業高1億4千万、高齢協組合員1,000名強・事業高5千百万となっています。 この1年間を振り返ってみると、一番大きなテーマが経営問題でした。正直なところ上半期は、あまり成果にむすびつかず、本格化したのは10月以降で原価率を5%削減するためにブロック会議・事業所会議・現場会議を開き、作業シフトの見直し・残業カット・各種手当ての見直し等、組合員一人ひとりが身を切る思いで取り組んできました。その結果、前年度比で6.3%の改善につながりました。 沖縄の労協・高齢協運動の独自の取組だと思っているのが、本島内33自治体の訪問活動です。4年前から始め、多くの自治体と協力関係が生れています。高齢協の設立も大きな契機でした。地域福祉事業所のある沖縄市など中部地区では特に強い関係が生まれ始めています。 ヘルパー養成講座の共催や老人宅配給食の委託を自治体に要請し、ときには高齢協、ときには労協といったように両方の良いところがうまく仕事に結んでいます。ヘルパー養成講座は、延べ8自治体・5つの社会福祉協議会の委託又は共催で、2級講座が5回197名、3級講座が8回307名の受講となっていて、13回で504名の養成をしました。 また、名護市での老人宅配給食サービス事業が厚生省の生活支援事業として2000年6月12日スタートで委託が決定しました。具志川市では緊急雇用特別対策事業(緑化)が、宜野湾市ではかんぽ助成金で料理栄養講座・ヘルパー3級講座が委託されています。 こういった実績に組合員は大いに励まされ、協同組合に確信を持っているのですが、一部幹部の取組となっていたりすることもあり、組合員の力が十二分に発揮される労協らしい組織づくりにはつながっていないと反省もしています。 この4月から介護保険がスタートしました。大変混乱しています。しかし、労協・高齢協が、高齢者の自立を促進し、寝たきりをなくし、元気な高齢者がいる沖縄を創ってゆくために正念場となる大事な年だと思っています。これまでの老人給食宅配サービス事業・ヘルパー講座などに一層取り組むと共に、居宅介護事業・訪問介護事業・福祉用具貸与事業などのさまざまな福祉ニーズに応えてゆく介護・福祉のパイオニアを目指すというのが、今年度からの目標です。 |