研究所たよりWEB版(54)
2001年5月14日
執筆:坂林哲雄(協同総研専務理事)
立て続けにMLを発信することになって恐縮です。
所報の編集作業に苦しんでいる間に、いろんな情報が溜まってしまいました。
5月26日(土)に東京と大阪で研究会があります。重なってしまいましたがご容赦下さい。
ILO総会に研究所の菅野副理事長がオブザーバーとして参加することが正式に決定しました。
26日の研究会には一緒にオブザーバー参加することになっている労金労組からも報告があります。厚生労働省の参加は引き続きお願いしています。
関西方面の企画はこれまで難しかったのですが、津田先生と大阪の労協の協力で実現しました。
関西方面で関心をお持ちの方の参加をお願します。無料です。
研究会 協同組合の思想と戦略の研究
ILO RECOMMENDATION ON PROMOTION OF
COOPERATIVES
「協同組合の振興」に関するILO勧告
1966年に採択されたILO127号勧告の改定に関するILO総会が6月に行われます。
政府関連組織が世界レベルで採択する初の「協同組合基準」であり、所報106号でも特集したように、この勧告は労働者協同組合や社会的協同組合などにとって特に重要な内容を含んでいます。
日本労協連からはILO総会のオブザーバーとして菅野正純さん(研究所副理事長)が参加をします。
法制運動にとっても画期となる内容だけに、多くの会員の方々に注目して頂きたいと思い、以下の日程で研究会を行います。ご参加ください。
日 時
5月26日(土) 午後1時30分~4時30分
場 所 日本労協連 4階会議室
参加費 会員無料 (会員外1,000円)
主報告 岡安喜三郎(日本労協連)「勧告結論案と各国政府等の対応」
菅野正純(協同総合研究所) 「労協法とILO勧告」
(要請中)
「日本政府の見解」
*所報106号をご持参ください。
*参加される方は電話又はFAXでお知らせください。
「21世紀社会における大学:大学が変わる、地域が変わる」
非営利・協同と地域コミュニティ
日 時 5月26日(土)午後4時〜6時
場 所 大阪市福島区民センター
電話06-6468-1771
講 師 津田直則さん(桃山学院大学)
地域社会と労働者協同組合の関係をどうイメージし、どういった構想をもって望むかという問題は、各種NPOが地域の中で活動をはじめ、企業の中にも新たな価値観をもって活動を始めたところがある今こそ、労協運動をリードする私たち自身の課題としてしっかりと考えてゆかねばならない問題です。
講師をお願いした桃山学院大学の津田先生は、「地域社会や企業社会において発生している諸問題は市場経済を基礎にした競争システムの産物である。今日の地域社会ではコミュニティが崩壊しているところが多く、企業社会でもますます問題が深刻になる可能性がある。・・・・問題の根源は、人間社会の価値観ならびに社会・経済システムの双方にある。・・・もの・かねを重視する価値観から、物質的豊かさと精神的豊かさのバランスがとれた価値観をもつ社会に転換する必要がある。また、社会・経済システムや企業・組織のシステムでは上の価値観に見合ったシステムを創造する必要がる。」という問題認識の下で、大学自身の将来構想の一つが「地域社会との連携と強化を通して社会における知の中心となること」であり、解決すべき多くの困難を抱える南大阪の地域社会を蘇らせるために、企業や協同組合、NPO、NGO、住民運動、ボランティア活動などを活発にさせる仕組みが必要だとされ、この課題への大学自身の関わりと具体化を構想されている。
地域の中に協同労働の可能性を見出し広げようとする私たち自身が、津田先生のお話の中から地域を見る眼と自らの構想力を高める必要がある。
それぞれの活動を振り返り、地域と労働者協同組合を考える学習の機会にして頂きたい。
問合せ先:06-6452-1168(センター事業団関西事業本部)