研究所たよりWEB版(111)

2003年6月18日

菊地 謙(協同総研事務局長)



梅雨真っ只中、ということでムシ暑い毎日が続きます。今日遅ればせながら、研究所のエアコンのフィルターを洗いました。

最近の菊地の動きをご報告します。

1)2003関西協同集会の準備

2)コレクティブハウス「かんかん森」の見学

3)上智大学社会正義研究所での菅野講演会




1)2003関西協同集会の準備

 関西での地域協同集会の準備が進んでいます。法制化関西市民会議を中心にすでに2回の実行委員会が行われ下記のように集会の概要が決まりました。
 6/11(水)に京都をまわり、元京都朝日シネマの神谷さん、くらしと協同の研究所の清水さん、きょうとNPOセンターの西田さん、仏教大学の浜岡先生、鈴木先生、岡崎先生らとお話しをしてきました。
 多くの方々の実行委員会へのご参加をお待ちしています。

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●2003関西協同集会「21世紀競争から協同へ」

と き:2003年11月30日(日)
ところ:関西大学吹田キャンパス

プログラム:
◆全体集会 10:00〜12:30
 *オープニング
 *来賓挨拶
 記念講演
  「今こそ労働の人間化と生活の芸術化を(仮)」
  播磨靖夫氏((財)たんぽぽの家理事長・日本NPOセンター副代表)

◆分科会 13:30〜17:30
◆交流会 18:00〜20:00

【連絡先】
〒553-0003 大阪市福島区福島5-13-18 福島ビル403
「協同労働の協同組合」法制化をめざす関西市民会議
2003関西協同集会実行委員会事務局
TEL 06-6452-1168 FAX 06-6452-1157
E-mail: Knsib@roukyou.gr.jp



2)コレクティブハウス「かんかん森」の見学

 京都からとんぼ返りで6/12の昼に東京都荒川区東日暮里で近々にオープンするコレクティブハウス(入居者が家賃の一部を出し合い共有スペースをつくって共同利用する賃貸の集合住宅)「かんかん森」の見学をしました。
 高齢者住宅を供給している(株)生活科学運営が建てた12階のシルバーマンションの2、3階のフロアを多世代型の賃貸住宅として使うもので、全国でも初めての試みだそうです。
 足掛け3年に渡り準備を担ってきたNPOコレクティブハウジング社の宮前さんは、昨年の千葉での協同集会にも参加していただいています。
 一番の特徴は共同の広い食堂とキッチンで、全ての入居者は週3回の「コモン・ミール」という夕食に参加することで、家事の負担を軽減することをめざしています。入居者組合はすでに数多くのミーティングやワークショップ(食事づくりなど)を繰り返してきており、プライベートはしっかり守った上で、人と人の関係づくり行うことを前提にした、新しい共同=協同の住まい方を提案しています。
 10代から70代までと幅広い層の入居者の選定は、そういう暮らし方に共鳴した人のみにこだわっており、「協同の仕組み」をあらかじめ内包した集合住宅という点で、非常に興味を持っています。
 協同総研としても、近いうちに一度このテーマで、研究会か学習会を開きたいと思っています。
かんかん森の厨房



3)上智大学社会正義研究所での菅野講演会

 先日お知らせした菅野さんの講演会『「民衆のグローバリゼーション」と「協同労働の協同組合」』に6/12の17:00から行われました。上智大の学生、教員を中心に30名ほどの人が参加し、1時間半ほどの講演にもかかわらず、熱心に質問等が出されていました。

 この講演会はILOのセミナーで知り合った下川雅嗣先生に準備していただいたもので、下川ゼミの学生が多く参加していました。終了後に交流会をしたのですが、多くの学生から労働者協同組合に対する質問を受けました。やはり厳しい就職活動からノイローゼになる人もいるとのことで、労協のような働き方があることを知ることができてよかった、という感想が印象に残りました。また、外国語学部の学生が多く、イタリアやフランスに留学するので協同組合について教えて欲しい、という質問もありました。

 下川先生の専門は経済ということですが、特に貧困の問題中でも途上国や日本の貧困層(ホームレスなど)の問題に、実践的にコミットしておられる方で、労働者協同組合というあり方が貧困者自身の自立にとって重要ではないか、という関心を持っておられます。

 今後も様々な形で、関係を続けていきたいと思います。

上智大学 下川雅嗣先生


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