研究所たよりWEB版(18)
2000年8月29日
執筆:坂林哲雄(協同総研専務理事)
昨日28日(月)富山市にある中央通り商店街の「ミニチャレンジショップ」の調査に行ってまりました。忙しいないでインタヴューに応じて頂いたのは、地元商店街の商栄会事務局長の指中(さしなか)さん、30分ぐらいという予定が、1時間半にも話が長引き、さらに、この活動の中心物、「呉服のさわ井」の社長?でミニチャレンジショップ協議会の会長、沢井淳一さんもご紹介いただき、さらに1時間近く話し込むことになりました。
ご存知ない方のために、この富山市ある商店街の取組を若干ご紹介します。
注目を集めているのは「ミニチャレンジショップ フリークポケット」商店街活性化の取組は様々あり、この商店街でもいろいろやってみたが結局うまく行かなかった。ある商店主の娘さん(青年部に所属する人)が香港旅行で、一つのビルに2〜3坪に仕切られ多数の店が入居している。狭いなりに個性的で面白い。欧米の店舗をまねる発想はこれまでもいろいろあったが、逆にアジア的発想が面白いのではという話が発端になっている。これが96年の11月。
97年4月に、市の担当者を含めたミニ・チャレンジショップ協議会が発足。店の名前は「フリーク ポケット」
この協議会が計画を進め、顧客ターゲットを趣味にお金を使う層(若者)に絞り、2坪の店からはじめようという意欲のある若者(20〜30代)を全国的に公募、面接をへて12名が最初のメンバーに決定。オープンは97年7月5日である。
店のスペース2坪の賃借料は1月1万円。最初の3月はただ。入居期間は一年。これまで延べで45人がここを利用している。
驚いたのは「・・・実際の商売をしながらノウハウを勉強できる実験店舗として、経営上のアドバイス、セミナーなども開催しながら、中央通も新しい力が加わることで、お互いに相乗効果を得る」というところで、簿記のイロハ以前の接客から、ラッピング、商品の陳列、店の雰囲気など、最初に店をはじめる苦労を共にしながらの、生きたノウハウが伝授された。簿記や資金繰りなど専門家を招いていの学習会も行われている。
沢井さん曰く「勉強嫌いの若い人も、自分に必要なことだと思うと真剣に取組む」そうで、落伍者もない。
中央通商店街は4年近くの間に1500万円ほどの資金をここにつぎ込んでいる。地元富山市も1000万ぐらいをだして、この活動を支えている。組合内部からは員外利用を問題する声や、「若者は内の商売に関係ない。そんなところに金を使うな」といった批判は今でもあるという。事務局長の指中さんは「総会で正式議題としていたら否決されたのじゃないか」と、民主的組合運営の難しさに言及するが、「この45人(現在の入居者を含む)の中から29人(準備中1名を含む)が、中央通商店街だけでなく、総
曲輪商店街や西町商店街などの空き店舗を利用して、ここで得たノウハウを元に出店を続けている」という実績は、堂々たるものである。
全国的には100ぐらいのところで、これに習った計画がされているという。また、近く「全信連」でこのノウハウを一つのものにまとめるそうだ。
11月の協同集会の一つに「青年たちの仕事おこし 〜コミュニティにかかわって〜」という分科会を行うことを、佐藤洋作さんらと企画しているが、こちらにもご参加いただけるということである。
聞いてきた話だけで、乱雑に書きとめました。
頂てきた資料からもう少し詳しいレポートをあとで作成するつもりです。