研究所たよりWEB版(06)

2000年7月13日

執筆:坂林哲雄(協同総研専務理事)

フロン回収機の自作


 昨日坂林らが横浜の下村電気を訪ねました。

  ここの下村茂さんたちは、神奈川電気振興組合の中にフロン回収実行委員会を作って、独自のフロン回収機を自作、そのノウハウを公開して、全国の電気屋さんにフロンの回収を呼びかけています。

  お役所からは高圧ガスに関する取締り法をたてに、どうもこの自作機をよろしからぬものと考えているようですが、現状で売られている回収機は30万円もするものです。これでは高価すぎで有効な回収は望めないと、下村さんたちは、ボランティアで 講習会を行い、部品代25000円で回収機の自作を電気屋さんに勧めています。

  既に神奈川県下にこの回収機が50台以上(以上というのは、ノウハウを公開しているので独自に作る電気屋さんがいるから)、また、全国からの問い合わせにもその設計資料を送っており、その数もこの3年余りの間に50件以上になっているといいま す。

  フロン回収に関しては、行政段階で業者を指定して、一定のルールは確立されているそうですが、公表されている回収率は惨憺たるものです。

  現場ですぐに回収ができる「電気屋」さんがこの問題にもっと真剣に取り組むべきだし、行政も電気屋さんが行うことの方がはるかに高い回収ができることを知るべきだというのが下村さんたちの主張です。

  工業高校の授業でもこの自作機を作ったことがあるそうです。

  しかし、まだまだ宣伝が行き届かず、この活動をどう全国に広めるか。振興組合の中で議論が続いているようでした。

  私たちの直接の問題関心は、フロン回収が高齢者や若者の仕事おこしにつながらないか、地域の電気屋さんと福祉事業所が結びつく接点がないものか、というものでした。

  直接つながるような話にはならなかったのですが、この下村さんらの活動には大いに感動したしだいです。

  ノウハウは公開されています。
  関心を持ちそうな方には是非お知らせください。


「研究所たよりWEB版」目次へ|■トップページへ