広げよう働く人びと・市民の仕事おこし/乗り越えよう大量失業時代

労働者協同組合(ワーカーズコープ)法の制定を今こそ

五・一九「労働者協同組合法制定のための市民研究会」(明治大学)のご案内

各 位    

                  日本労働者協同組合連合会理事長 永戸祐三

                  協同総合研究所理事長 中川雄一郎

失業率は、この二月にいよいよ最悪の水準に達し、五%台を突破することは時間の問題といわれています。経済企画庁の調べでは、十五歳以上の国民の半数近くが失業の不安を抱えながら生活しているといいます。人生の見通しの土台となる仕事の問題をどうするか、今まさに政府の施策が根本から問われているのではないでしょうか。

その反面で、「コミュニティ・ビジネス」という言葉に示されるように、ケア・福祉や環境、まちづくりなどから、働く人びと=市民自身の自発的な仕事おこしが広がり、「大学発」の仕事おこしも注目されています。大量失業を乗り越えて、日本社会が元気を取り戻せるかどうかは、こうした力にこそ掛かっているように思われてなりません。

介護保険本番に、労働者協同組合がコミュニティケアと福祉のまちづくりの拠点として「地域福祉事業所」を全国一〇〇ヵ所でスタートさせるとともに、各地でケアの仕事をワーカーズコープ方式で立ち上げる女性たちが現われています。自治体関係者や民間企業の人びとも、これからのパートナーとして労働者協同組合への期待を高めています。

 ワーカーズコープへの注目が世界的に広がっています

こうした中で、「起業と雇用をリンク」させた、働く人びと自身の仕事おこしを支援するという、新しい政策的な視点が登場し、その中でワーカーズ・コープへの注目も始まっています。

国際的には、世界の七億の人びとを結集するICA=国際協同組合同盟は、一九九五年のマンチェスター大会で「コミュニティへの関与」や「不分割積立金」などを原則化し、昨年一九九九年のケベック大会では、「グローバル化に人間の顔を与える」「協同組合発展第二の波」を予兆させました。国連やILO、各国政府も、とりわけ失業問題の克服とコミュニティ再生の面から、ワーカーズコープ、コミュニティコープはじめ、協同組合を積極的に促進する方針を打ち出しています。

全国農協中央会や日本生活協同組合連合会などで構成される、JJC(日本協同組合連絡協議会)も、私たち日本労協連を仲間として加えていただきました。

「労協法制定のための市民研究会」へのご参加をお願いします

この間、私たちは、多くの方々のご意見をお聞きし、労協法第一次案を補強し、より完成度の高い形で提案できるよう、「協同総合研究所」を中心に検討を進めてまいりました。

この成果をもとに、来る五月十九日、明治大学研究棟(お茶の水)において「労協法制定のための市民研究会」を開催し、@改めて法案の趣旨についてご報告するとともに、A日本労協連だけでなく、広く「協同労働の協同組合」に関わる法律を求める団体、個人にお集まりいただき、B法案に共感される方々からの、今後のご協力方について相談させていただいて、Cより広い推進母体である「労協法制定推進市民会議」の結成への見通しを開いていきたいと考えております。

つきましては、「働く人びと・市民の仕事おこし支援」の社会システムの創造のために、この研究会にご参加いただくよう、お願い申し上げます。

                             二〇〇〇年四月十日


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