―英国オスウェストリー・キャリア・サービス、Future Moveの取り組みから―
「フリーター」と呼ばれる人たちが200万人を超えたという。失業率が5%を超えて久しいが、若年層(15〜24歳)の失業率は10%を上回る。その一方で、就職活動に振り回される大学生が「自分が何をやりたいのかわからない」と嘆く。親の世代が築いてきた「企業で働く」ことを軸としたライフプランにリアリティが感じられない。 これまで、日本では「当然のこと」とされてきた「学校から仕事へ」の移行が、もはや当たり前のものではなくなってきている。高卒者の就職内定率は年々下落し、大卒者でも「正社員」が保障されているわけではない。職業能力を高めていく契機を失った若者の増大は、不平等を拡大し社会不安を生み出すことを指摘する者も多い。 英国を初めとするヨーロッパ諸国では70年代半ば以降、特に若年層で高い失業率に悩まされてきた。各国が様々な失業対策を模索する中、97年に登場したブレア首相率いる英国労働党の「福祉ニューディール政策」は若年層の失業の長期化を防ぐため「エンプロイアビリテティ(雇用される能力)」を高める各種のきめ細かなプログラムを立ち上げられている。 今回の研究会は、住政二郎さんに英国中西部シュロップシャー州オウェストリーという小さな町で行った、青年の就労支援「キャリア・サービス」の調査とそれをまとめた修士論文についてご報告いただき、若い世代と就労問題について、社会政策的な視点から、また市民セクターの視点から考えていく契機としたい。(文責:菊地) |
報告:住 政二郎(都立大学大学院卒) |
とき:2002年8月24日(土) 午後1時30分〜午後4時30分 会場:明治大学駿河台校舎研究棟4階第1会議室 会費:一般1,000円(協同総研会員、学生500円) 問い合せ・申し込み:協同総合研究所 東京都北区中十条2-11-6 |