『協同の發見』2000.5 No.96 総目次
研究所だより

坂林哲雄(協同総研専務理事)

 4月22日に常任理事会を行いました。前回の理事会から議論を始めているのですが、研究所機能を4つに整理しています。非力な事務局ゆえ、課題を整理する度に毎にため息が出ます。ホームページでは既に見られるものですが、来期の方針とも関係があるので、少し説明します。4つの機能とは、(1)協同の思想と戦略研究に関わる機能、(2)地域づくり・仕事おこし研究とサポート機能、(3)協同経営・教育の研究とサポート機能、(4)労協法の研究と制定サポート機能です。これまで研究所で取り組んできた内容を整理したものです。(1)(4)については、それなりの活動をやってきたという自負があります。特に西暦2000年ということもあり「レイドロー報告から20年」を100号記念誌として特集しようとしています。この20年の間に協同組合をめぐる環境は激変しましたが、レイドロー報告が指摘した内容は、今日においてもなお新鮮です。先見の明があったということでしょう。研究集会(7月2日)の議論を出発点に、このレイドロー報告がどう実践されたのかを検証しつつ、21世紀の協同組合運動への問題提起を試みる研究会を行おうと考えています。(2)(3)は特に今日的課題として強く求められるものです。コンサルタント会社などに任せておけることではないのですが、十分な蓄積が研究所にもなく、目標を具体的に定めて成果を出して行きたいと考えています。特に、福祉に関わって非営利・協同の分野が、この介護保険で約15%のシェアーであると報道されていますが、まだまだ必要とされているサービスが行き届かない現状です。この分野における協同労働の仕事おこしのノウハウと提供、さらには質の向上をどう確保するのかといったことが強く求められています。

 研究所の第10回総会を7月1日(土)午後1時30分から行います。場所は新しい事務所の会議室を利用します。見学も兼ねて是非ご参加頂きたいと思います。
 翌2日(日)は研究集会を行います。テーマは「新しい経済システムと協同労働〜協同労働の理論と思想を深めよう〜」中川雄一郎理事長の問題提起を受けて、できる限り多くの会員から、それぞれの研究をベースとして、現代の社会や経済、労働をどう捉え、それを克服する道をどう描いてゆくのかを議論し合う研究集会にしたいと考えています。
 この所報の編集体制も4月から変更し、新年度に入ったばかりで、かなり混乱をしています。事務所移転も決めたのでその作業もやらないと行けません。総会へ向けて決算は勿論、議案の準備を進めなければなりません。研究集会の準備もあります。まだ具体化できずにいますが、秋には「協同集会」を東京で取り組みます。押しつぶされそうなプレッシャーです。ボランティアとして研究会の企画・運営を担ってくれる方歓迎します。

『協同の発見』96号(2000年5月)目次協同総合研究所(http://JICR.ORG)