『協同の發見』2000.4 No.95 総目次

上海市老齢委員会
──21世紀の高齢化社会の挑戦に応える高齢者ケアの総合的なシステムづくり

上海市老齢委員会副主任 倪 成 才
/翻訳 大谷正夫


1.上海市の人口高齢化の特徴と傾向

 上海は中国で最初に人口高齢化を迎えた都市である。1998年末まで60歳以上の高齢者は235万5千7百人で上海の人口の18%を占めている。65歳以上は174万1千6百人で13.3%を占めている。2025年までに、高齢者人口はピークの469万人となり、人口の33%となろう。上海の人口の特質は、

1)高齢者の増加率は自然人口増加率よりも高い。高齢化社会に突入してからの20年間  に、60歳以上の人口は104%も増加したが、全人口は僅か15.4%の増加であった。この傾向は今後長期にわたり続くであろう。

2)上海では高齢者の一層の高齢化の傾向が見られる。80歳以上の人口構成比率は確実  に増加している。1985年には高齢者人口にしめる80歳以上の高齢者は8.45%であったが、1995年には10.19%までになった。1998年末には80歳以上の高齢者は26万人となり、高齢者人口の11.04%を占めた。2000年には12.56%にまで増大するであろう。

 人口の高齢化は、経済発展と社会進歩の重要な指標であり、人々が平均寿命の延長を願うその結果である。しかし、それはまた社会経済発展に対し、多くの問題を提起している:社会全体への一層の経済負担と、労働力構造の高齢化である。それは、高齢者への伝統的なケアのモデルに重要な影響を与える。と同時にまた、医療保健、社会サービス、公共施設、住宅、交通、文化・体育施設、商店の高齢者用食品、日常必需品、衣類、医薬品などの販売について特別な要求が提起されることになる。われわれが、もしもこれらに対し適切な手段を講じなければ、高齢化がピークに達する時期に、重大な問題を抱えることになるであろう。


2.上海における高齢者サービスの進展

 人口の高齢化と高高齢化に直面し、上海市は長期的な視点で、高齢者のケア・システムを確立し、高齢者への物質的支援(老有所養)、医療ケア(老有所医)を提供し、同時に仕事(老有所為)、学習(老有所学)、そして休息(老有所楽)の機会も与え、法的権利の保護を保証し、中国の特徴をもったケア・サービスの発展の新しい手がかりを求めていく。

高齢者の法的権利擁護の立法

 早くも1988年に上海市人民大会は“上海市の高齢者保護に関する条例”の制定に努力した。1996年全国人民代表大会は“中華人民共和国の高齢者の法的保護に関する法律”を採択した。そして上海市は1988年に上海市の高齢者保護に関する条例を制定した。このようにして、高齢者の法的権利を保証する総合的法的システムが確立された。

高齢者ケアサービスの開発計画づくり

 国連文書により“高齢者問題を国の開発計画に包含すること”が要請された。

 19973月に、上海開発計画委員会は、他の21の政府機関とNGOとで“第95カ年計画と上海の高齢者ケアサービスの開発の2010年長期目標”が立案された。

 この開発計画において、高齢者のための年金計画、保健、生命保険、福祉施設、コミュニティの高齢者サービス、高齢者教育、スポーツ、娯楽、関連する公共施設作りなどの詳細な開発目標と作業、基準が定められた。この計画の上海市政府による承認の後、すべての区、県役所はその具体的な状況にあわせ、その地区での実施のための開発計画を作成した。

高齢者組織の創設

 1985年上海市老齢問題委員会が設立された(1997年に上海市老齢委員会と改称)。1997年に22の政府部局とNGOと、上海市老齢委員会とで上海市高齢者ケアの調整合同委員会がもたれた。上海市老齢委員会の主な機能は上海市政府の指導の下に以下のことを行うことである。

1)市の高齢者ケアサービスの当面の問題点を調査、研究、分析し、国の高齢者ケアの原則、政策、開発計画と照らし合わせ、関連する提言をする。

2)情報の交換、相談サービスとその他の高齢者ケアに関する活動を提供する。

3)市政府よりの委託事業を行う。

 高齢者人口の現状を踏まえ、上海市政府は長期的なメリットの視点で、即ち物質的支援、保健サービス、医療サービス、仕事、学習、休息の機会の提供と法的権利の擁護などを保証する(五個老有、一個保護)高齢者ケアの目標と原則を確立した。これらの目的と原則の遂行は、すべての関連するセクターが参加した、高齢者ケアの合同調整委員会の機能である。

 上海市老齢委員会は上記3機能と共に、関連政府機関の援助とコミュニティの参加によりこれらの目的と原則の遂行を確実なものとする。

1、多層の社会保障システムを確立、発展させ、社会福祉施設の発展で高齢者への物質的援助を保証する(老有所養)

1)堅実に社会保障制度を高める

 1993年上海市人民大会は“上海の従業員年金制度改革の実行計画”を採択した。

 その直後、上海市政府は“上海の都市従業員年金制度実施”と“上海農村地域の社会保障制度の実施”について採択した。現在、改革された都市の年金システムの適用は98%にも達し、社会保障制度は適格者の86%をカバーしている。

2)社会救済制度の改善と強化

 毎年、政府は最低生活水準と最低所得水準の計算を行っている。最低水準以下の人々は(高齢者を含め)政府の金銭的補助または物質的支援を受ける資格がある。

 この政府支援システムの基準は徐々に、高齢者、身障者、子供のいない高齢者におよび、日常のケアや医療支援も受けられる。上海慈善協会と上海高齢基金が、これらの極貧の高齢者支援のために組織された。同時にあらゆる相互援助、社会援助の仕組みがそれらの高齢者を支援するために動員された。

3)高齢者ケアの福祉施設設立 

 1998年の“上海の高齢者ケアサービス施設条例”の公布により高齢者ケアの福祉施設の発展に、多方面の社会セクターが動いた。現在まで、高齢者の生活と日常ケアの基礎的ニーズに応え、全体で391の高齢者ケアサービス施設に2203のベッドができている。これらの施設は規模がより大きく、進んだ設備をもち、その結果、高齢者ケアの質はより高いレベルとなった。

 過去数年、高齢者の生活と日常ケアの必要から、大きな建物が数多く建設された。例えば、“青松城”、“銀髪大厦”、“衆仁老人公寓”、“松江区老年福利院”などである。これらの施設は規模が比較的大きく設備も良く、従って高齢者ケアの質も高いレベルになっている。

4)多層、多様な高齢者のコミュニティ

 ・ケア・サービス・ネットワークの確立

 サービス・ケアは高齢者ケア制度の重要な要素である。各種サービス要求に応えるため、上海ではコミュニティ高齢者ケア計画を発展させ、多層、多様なケア・サービス・ネットワークをつくり上げた。

すべてのレベルでコミュニティ・サービスセンターの確立

 1998年末までに、市レベルで1、区(県)レベルで10、街、鎮レベルで115(全体で120の街、鎮)、そして居民委員会レベルで2441(全体で2820の居民委員会)のサービス・センターの総合的ネットワーク・システムができあがった。これらはコンピューターで結ばれ、ホットラインで高齢者の多様なニーズを基本的に満足させることができる。

コミュニティのボランティア・サービス・チームの組織化

 現在、2853のボランティア・チームに955千人が参加している。そのうちの約10%が専任で、区、県の役所、居民委員会の幹部や福利院(福祉施設)のスタッフであり、政府より給料が支払われている。居住委員会の必要とするパートタイマーの給与は居民委員会から支払われる。これらの人々はコミュニティ・サービスの組織者である。ボランティアはコミュニティのあらゆるセクターから、政府の役人、労働者、自営業者、教師、学生、退職者とさまざまである。若い高齢者がこれらのサービスのなかで主要な役割を演じている。ボランタリー・サービスと貢献の原則に基づき、かれらはコミュニティに登録し、時間のある時にサービスを提供する。ボランテイァ・サービスにはさまざまなものがある。

1)アパートの中での相互扶助。これは同じアパートに住む高齢者への緊急支援である。

2)ペアを組んだ支援サービス。1ボランティア対1高齢者、または数ボランティア対1高齢者で組み、サービスを提供する。

3)保護チーム。特別な困難を抱える高齢者にたいし、オルガナイザーが数名のボランティアを組織し、特定のサービスを提供する。 四定である(特定の人に、特定のサービス内容で、決まったボランティアにより、決まった時間に行う)。

 現在全部で9418の保護チームがある。

4)特別なニーズをもつ高齢者への特別なサービス。一人住まいの高齢者2809人にたいし、緊急用ベルが渡されている。いかなる緊急時でも、ベルを聞いて、近所の人々がかけつけることが可能である。他のサービスとして、給食サービスでは、5215人に、医療支援は82175人に、そして家事労働サービスは15375人を対象に行われている。

高齢者への家族縁組(家庭敬老室)づくり

 子供がなく、まだ福祉施設に入居していない高齢者に、家族縁組をし、彼らの日常を援助する。既に、2787家族がこのような活動に参加した。

2、医療支援の提供を保証し、高齢者医療ケア・サービスを発展させる(老有所医) 

 80年代の初期に市医療部は、高齢者保健ケアを、全体の保健ケアの開発計画の中に含めた。市の病院は70歳以上の高齢者にたいし、受付け、医療相談、検査、支払い、調剤の優先サービスを提供している(5優先)。医療サービス改革の過程で、退職者の診療、入院治療、高齢者を主とする在宅サービスが社会福祉システムに含まれることになった。現在、全市で4つの高齢者病院と30のホームと47千の在宅ベッドがある。

 240のコミュニティの医療サービス・ステイション(社区衛生総合服務点)は初期医療ケア、予防、保健およびリハビリの総合したサービスを行っている。70歳以上の人々の60%は市の医療ケア・ファイルに登録されている。農村では協同組合医療ケア・システムができ、農民の72%がカバーされている。

 政府は高齢者への医療ケア提供の積極的促進に取り組む一方、われわれは貧困に登録費の低減や医療経費の財政支援などの医療支援計画を促進してきた。最近、1千人の高齢者が何らかの形の医療サービスをビジネスや他の組織から受けている。1997年にスタートした、“復明計画”により、何千人にもおよぶ高齢者の白内障の手術費が割り引かれ、あるいは免除された。

3、高齢者の社会貢献の機会を保証し、社会活動参加を促進する(老有所為)

 国連の文書が指摘しているように“高齢者が社会で最大限の役割を演じることを保証することは社会福祉サービスの目的である”そして“高齢者に新しい仕事起こしの機会を与え、訓練により仕事探しが可能になるよう適切な方法がとられ、以前の自主性が復活されねばならない”。上海の2356千人の高齢者の70%以上は若い高齢者である。彼らのうち約56万人は高い教育を受け、特殊技能をもち、マネージメントの経験もある。これらの高齢者の役割をどのように発揮させ、かれらが社会経済発展に貢献し続けられるようにすることはわれわれの重要な課題である。

 われわれは必要な政策支援をし、かれらの意志を尊重することにより、より多くの最近退職した若い高齢者がかれらの技術、知識や経験を生かし社会に貢献できるのである。この自助と独立と社会活動への参加は、われわれがいうところの“高齢者に働く機会と社会への貢献を保証すること”である。

 上海の高齢者48万人はさまざまな社会活動に参加し、全体の20.44%を占めている。その活動は主に以下の3つの形態がある。

1)経済活動への参加を奨励する

 1986年来、上海は退職者経済を発展させてきた。1998年末には、会社数は290で、事業高は322千万元(約39千万ドル)で、138百万元の利益を生み115百万元の税金を支払った。退職者経済は、社会的需要への補完的なもので、卸、小売、修理、加工、技術相談、工事設計デザインなどである。この退職者経済は4万人以上の退職者に職を与えたのみならず、産業のリストラによりレイオフされた3万人にたいしても職も創出した。退職者経済はまた114百万元の次のような給付も行った。即ち、退職者への生活補助、貧困者への食料スタンプ、退職者災害基金、高齢者学校、高齢者住宅、その他の文化施設の建設基金、そして5つのタイプ(他を支援する高齢者、80歳以上の高齢者、子供のいない高齢者、寝たきりの高齢者、低収入の高齢者)の特殊な困難を抱える高齢者への経済的補助である。

2)社会的活動への参加を奨励する

 高齢者の社会的参加を奨励する目的で、われわれは興味深い多くのグループを組織した。退職科学・技術者協会、退職高齢者専門家協会、退職教育者協会、退職ジャーナリスト協会、高齢者スポーツ協会、舞踏と絵画の協会などである。例えば退職高齢専門家協会は

 1988年に組織され、3千人以上の退職した教授や助教授が参加している。彼らは“高齢専門家からの提言(老専家建議)”という雑誌を発行し今日まで50号まで出している。これらの多くは政府の政策決定者に価値あるものとなっている。退職科学・技術者協会は6千人の会員を擁し、一般向け科学教育の講師グループを結成し、200回以上のレクチャーを居住地、学校、軍隊で延べ8万人以上を対象に行った。一連のレクチャーは生命科学、天文学、気象学、海洋技術、漁業、産業、農業などの分野にまたがっている。

 講義は各分野の最新の内容を含み、分かりやすく聴衆の評判が良い。高齢者スポーツ協会は市のスポーツ委員会と高齢者委員会の協力を得て、全国の体育活動への参加を強く呼びかけ、1998年の統計によれば120万人以上が参加し、それは高齢者の50%をも占めている。

3)高齢者の地域福祉活動への参加を奨励する

 これらの活動には大多数の高齢者が参加しているが、主として居住地域の安全、交通安全、コミュニティ・サービス、地域の清潔な環境づくり、造園、口論の仲裁などの公益活動である。居住地には2万人以上の居民委員会の幹部がいるが、その93%は退職者である。上記の活動はほとんどが居民委員会によって組織され、そこでは高齢者が大黒柱となっている。これにより高齢者の社会への貢献の機会を提供している。

4、高齢者の学習機会を提供するサービスを発展させる(老有所学)

 高齢者教育の発展を促進するため、上海では高齢者教育を成人教育計画の中に位置づけ、特別な目標と必要条件を確立した。地域高齢者教育センターの市、区(県)街道(郷鎮)居民・村民委員会の4段階のネットワークができあがった。現在、市レベルで4、区(県)で50、街道(郷鎮)で241、居民村民委員会で2788の高齢者学校がある。学級形式の教育に加え、新しいモデルを検討中である。

 高齢者放送学校(空中老年大学)を1995年に開始し、50分間、週2回放送で、既に“高齢者の健康ケア”、“高齢者の社会心理学”、“中国の高齢者の法的権利擁護法”、“足の裏の反射の健康法”、“孫の教育”、“栄養と食事療法”などのコースのシリーズを提供した。10万人以上の高齢者が、37か所のセンターにおいて、集団でテレビを見た。われわれは最近、インターネットによる高齢者学校の準備や、さらに多くの既存の大学が高齢者学校を開設するよう活動している。そのことを通じて、大学の教師や教育の資源を活用できるからである。多層、多様な上海の高齢者教育は発展を加速している。1998年統計では、これらに登録されている高齢者の数はは全体の9.77%になっている。

5、高齢者がリラックスしエンジョイする機会を保証し、スポーツやリクリエイション活動を発展させる(老有所楽)

 これは健康な高齢者を作り上げる重要な環である。まず最初にわれわれはハードの面に焦点をあて、3,271の高齢者活動のステーションを設置し、そこに読書、チェス、トランプや他の娯楽のための部屋を設置した。第2に多くの娯楽、演劇などを組織した。上海には全部で1,576の芸術のグループがある。市レベルで8つの演劇グループ、区・県レベルで20、街・鎮レベルで602、居・村委員会レベルでは945のグループがある。4千人以上の高齢者が、地方オペラ、演技、舞踏、音楽演奏、コーラスチームに参加した。彼らは地域の文化祭では、高齢者福祉施設にたいし広場や舞台での演技に非常に活発であった。第3番目にスポーツと健康活動を奨励している。高齢者スポーツ協会の支援により、4,088の高齢者スポーツ・チームを編成した。市レベルで1、区・県レベルで20、街・鎮ベルで1,988、民・村委員会レベルで2,079チームがあり、全部で15万人が参加した。

 これらの活動家のイニシアティブにより120万人の高齢者がコミュニティで多様な体育やスポーツ活動に参加した。毎朝、数多くの高齢者が体育やダンスや歌を公園や街路そして公共の場所で行い、銀髪を朝日に反射させ、美しい町の輪郭をかたどっている。

6、高齢者の法的権利擁護の保証のため、高齢者保護法の施行と徹底

 “中国の高齢者の法的権利擁護法”と“上海市の高齢者の法的権利を擁護する条例”を施行するため、民生局の中に、高齢者保護に関する特別な部署が設けられた。同様に各区県、街・鎮レベルにも設置された。

 1998年に上海では高齢者法律サービス・センターが高齢者の相談に応じるため設けられた。これらは高齢者の保護法に関連した基礎教育を行い、高齢者を敬い、助け、保護するのに良い環境づくりを促進している。彼らは関係する政府機関、組織、企業と連携を取り、関係する法の執行と高齢者の権利擁護のために努力している。彼らは、“高齢者を敬う町”づくりの運動を開始し、評価のための指標を完成させた。それらは組織的ネットワーク、標準的労働基準、高齢者への総合的サービス、良好な高齢者用施設、貧困な高齢者支援の進んだ方法、高齢者の権利擁護の恒常的な仕組み、高齢者を尊敬するのに適した環境などをカバーし、全部で7つの局面から42の項目が設定されている。毎年、“高齢者を敬う町”(敬老小区、敬老村)づくりの展開のため、市域での遂行状況の評価を行っている。現在、2,820の上海の居民委員会のうち、その4分の1にあたる713の居村委員会がこれらの基準に合格しており、高齢者を敬う居住地区として指定されている。高齢者を敬う環境が増進し、高齢者の法的権利を犯すものは社会的非難の強い圧力をうけ、高齢者の権利擁護は顕著に改善された。

 21世紀の人口高齢化と、高齢化社会の社会経済的発展への大きな圧力を前にし、上海の高齢者ケアの発展のため新しいアプローチを検討している。


321世紀の人口高齢化の挑戦に応じ、総合的な高齢者ケア・システムを進展させる

 21世紀の最初の5年間、全体的な上海の高齢者ケア・サービスの使命は、市と中国の文化的実際の状況に基づき、社会主義市場経済の社会経済発展の政策と持続可能な発展の戦略に従い、国家とコミュニティ、家族そして個人の共同の努力で、高齢者保護の長期的利益のために、次の8つの局面での高齢者ケア・サービスを打ち立てねばならない。このシステムは中国の特色と上海方式により、社会のニーズに応えていかなければならない。

1、高齢者のための社会保障制度の確立

 2005年までの主な目標は、社会主義市場経済に見あった、完備された社会保障制度の確立である。養老年金の正常な増加システムと、経済発展と社会進歩の成果を高齢者も享受できるモデルづくりや、そして企業で付加的保険と、個人貯蓄性の養老保険と商業養老保険を奨励である。農村では総合的な年金保証システムを、そのマネジメントをふくめて確立し、そしてそのカバーする範囲を徐々に拡大しなければならない。

2、高齢者健康ケア・システムの確立

 地域保健ケア・サービスにおける、健康な高齢者の病気の予防や保健ケア、医療ケアとリハビリティションを統合し、都市部、農村部の医療ケアと予防、保健システムのネットワークの促進と発展を図る。すべてのレベルの一般病院は、高齢者治療を行い、高齢者の特別治療、特に70歳以上の高齢者の優先サービス(5優先)をする努力を続けるべきである。 われわれは、既存の高齢者病院やホームの経営の管理を高め、引き続き高齢者ケアの標準化した病院を建設しなければならない。脳卒中や麻痺した高齢者の患者を家族でケアする困難を解決するために、努力してコミュニティでの高齢者のリハビリを発展させねばならない。“卒中の早期発見と予防”の計画が人口70万人の上海の南匯県で取り組まれ、高齢者の卒中の発生率を大幅に低下させた。

 われわれは、家庭での病床管理の改善の努力を続け、さらに高齢者のより健康なライフスタイルのための、健康教育を高めねばならない。高齢者の病状の軽減または進行を遅らせることを目的とした、臨床研究の継続した努力がなされねばならない。

3、高齢者ケア・システムの確立

 高齢者のための、都市と農村の福祉施設のネットワークづくりに、努力がなされねばならない。質的に改善されたサービスによる福祉施設の建設に、あらゆる社会セクターと個人からの投資が奨励されねばならない。われわれは一人暮らしの高齢者のために、食事、洗濯、散髪、部屋の掃除、ベッド脇でのケア、医療相談、買い物と労働と家族ケアの総合的多チャンネル、多形式の社会サービス・ネットワークを形成しなければならない。

 高齢者の相互支援協同をつくるため、そして将来の実施に備えて介護保険の仕組みの研究を開始せねばならない。

4、高齢者の文化、娯楽システムの確立

 高齢者の活動のセンターを区(県)、街道(郷鎮)において確立すること。都市居民委員会での高齢者活動ステーションの普及を基礎として、次には農村部での普及が図ること。高齢者の体育スポーツ活動参加者は120万人にも達するがが、市の高齢者人口の50%にも相当する。高齢者の文化、娯楽活動の発展のために大いなる努力が払われねばならない。そのことにより、高齢者の生活は、質的に改善され豊かになるのである。

5、高齢者の教育システムの確立

 高齢者教育の管理システムを改善することにより、高齢者は多層で多形式の高齢者教育にアクセスができる。

 2005年までに、15%の高齢者がこのようなタイプの教育に登録するであろう。

6、社会参加システムの確立

 高齢者の能力交換センターとシンク・タンクの確立。そして若くて健康な高齢者、特に専門とと技術をもつ人たちにより、社会、経済発展に参画すること。特にコミュニティ・サービス、治安維持、市の衛生管理、青年教育、若い高齢者による高高齢者の世話などの社会活動により、高齢者の社会活動参加のシステムが形成される。

7、高齢者への慈善システムの確立

 高齢者の慈善福祉施設や無料の医療、入院費用の免除を含む慈善サービス進展の基金積み立てのため、あらゆる可能な方法を取ること。特別な高齢者支援基金を、高齢者の突然性の事故や、特別の困難に備えて積み立てること。

8、高齢者のために有利な法的、条例システムの確立

 国際慣行に従った国の法システムに合致した関連の法、条例、政策の確立。重点は高齢者保険条例、高齢者医療保健条例、高齢者福祉サービス条例などである。

 以上の8つのシステムは上海の高齢者ケア・システムの骨格をなすものである。上海市政府は改革と開放を一層深め、経済の発展と共にこれらのシステムの促進に大いなる努力を傾注するものである。われわれはまた社会一般にも広く宣伝し、人口の高齢化、高齢者のケア・サービス、高齢者を敬うことについての意識を高めるつもりである。われわれはさらに法制度の研究と、制度化された高齢者ケア・サービスのシステムを高め、予測されている21世紀の人口高齢化のピーク時を迎えるにあたり、物質的に、人材的に、制度的に、思想的に、理論的に、そして世論的にも十分に備えることができるのである。


4月号目次協同総合研究所(http://JICR.ORG)