センター事業団だより
曽我 秀秋(センター事業団・四国開発本部)
センター事業団の創設以来初めて経験する厳しい経営状況の中で、「危機の突破から真の労協へ」を基本スローガンに掲げ、日本の労協運動の先駆者として21世紀に向けた新たな転機をつくりだすための第12次1・2・3運動もいよいよ終盤にさしかかり、「経営の改革」「高齢協の発展と地域福祉事業所づくり」「新清掃方式の確立と仕事の拡大」を中心に、全組合員が主体者となることをめざす取り組みが全国で進められている。
四国ブロックでも今回の1・2・3運動の最重点課題を経営改革の取り組みにおき、全体で5%以上の経営改善を必ずやりあげることを確認しあった。各事業所、現場レベルでの改善方針の具体化を進める中で、高知事業所では現場別、部門別の収支状況をはっきりさせ、今年度内の75%原価率達成の可能性も見えてきた。また、愛媛出張所では昨年の入札で愛媛労災病院を失ったことによる原価率の悪化を防ぐために、年間4回のヘルパー養成講座の開催で所長の人件費を捻出する努力もされて一定の成果が生み出されている。
また、高齢協の活動や地域福祉事業所づくりも前進的な取り組みがされ、これまでヘルパー講座が開けなかった徳島でも1月から2級講座がスタートし、幅広い講師との出会いや、所長が事業所から外へ足を踏み出す中で、組合員が病院との対応や現場の運営を主体的に行う流れがつくられるなど、徳島での高齢協設立に向けた一歩が踏み出された。現在、四国ブロックでは2級ヘルパー講座はセンター事業団主催と高齢協主催合わせ、4県で5講座が同時開催されている。
こうした中で、2月15日には香川、高知の高齢協組合員やヘルパー講座受講生も介護保険に向けた取り組みと仕事おこしをテーマにしたブロック学習会も開催し、秒読み段階に入った介護保険への準備も進められ、香川高齢協での居宅介護支援事業者・訪問介護事業者の指定や、新居浜ではヘルパー養成講座の講師を務めてくれた市社会福祉協議会のヘルパー副責任者の方の参加も得て、介護保険への対応を中心とした地域福祉事業所「ケアーステーションめだかの楽校」も新たな人のネットワークの広がりの中で具体的な取り組みが始められようとしている。
一方、新清掃方式の取り組みでは高松平和病院、徳島健生石井病院での全面導入と愛媛生協病院での部分導入という段階であり、ブロックの主要現場での導入、確立が急がれている。2月19日に行った新清掃方式の研修会は、労協ブランドとしての新清掃方式の優位性への確信と、組合員自身の取り組みにしきることで労協としての新たな高みをつくり出せること、そして事業拡大の可能性を現実のものにすることをあらためて実感させた。
「危機の突破から真の労協へ」そして「新しい福祉社会の創造」へと向かう挑戦課題はたくさんあるが、四国ブロック全体が力を結集し、各事業所の現状についての評価をしっかり行い、到達目標と方針を鮮明にして、組合員自身が実感できる目標・方針に深め、全組合員の行動をつくりあげることを基本にして、第12次1・2・3運動ののこり1カ月を精力的に取り組んでいきたい。
協同総合研究所(http://jicr.org)