「5.19 労協法制定のための市民研究会」
それに向けた取り組みについて
2000年4月11日
推進本部事務局(文責:菅野正純)
T.5.19の位置づけと実施要綱
1 位置づけ
1)労協法制定を促す時代の底流に確信を持って
第一次案にもとづく要請を進めてくる中で、労協法制定の時代の底流が見えてきた。
- 「リストラによる景気回復」が強行される中で、働く人びと=市民自身による「仕事おこし新時代」が始まり、その事業組織のあり方が検討されつつあること。
- 労協が「地域福祉事業所」に取り組む中で、企業や自治体が、パートナーとして労協に注目し始めたこと。
- ICAが「アイデンティティ」の確立を基礎に、「協同組合発展第二の波」に向かって歩みを開始し、国連、ILO、各国政府が協同組合への期待と位置づけを高め、日本の協同組合もJJCを結び目に、新たな時代へ挑戦を始めようとしていること。
- 有識者の中から、日本の経済社会のあり方に対する根本的な批判が強まり、今日的な変革の手がかりとして労協に着目する人びとが増えつつあること。
- 産業・地域・労働・福祉・環境の各政策を統合する、新たな公共政策のあり方が必至となり、その中で労協の政策的な有効性が認知され始めたこと。
2)労協法制定を実現する力
したがって、労協法制定の展望を切り開けるかどうかは、このような新たな動きを強めながら、「働く人びと=市民の仕事おこし支援」の政策と仕組みづくりを政治課題の焦点に押し上げられるかどうかにかかっている。すなわち、
- 現在の労協の主体の強化を当然の前提として、世界的な協同の風を吹き入れつつ
- 「仕事おこし新時代」に立ち向かう働く人びと=市民が労協を知り、これを自らのものとして選択する状況を広げ、
- 協同組合陣営を第一に、しかしそれだけに止まらず、民間企業、市民団体、労働団体、各種専門家、自治体などとの間に協力関係を広げ、合意賛同を拡大し、
- 時代を主導する有識者から、労協への積極的な位置づけと発言を強めていただき、
- 中央省庁、政党・国会議員から、新たな政策哲学に立った労協法制化の流れをつくりだしていただくことである。
3)5.19研究会の位置づけ
5.19研究会は、こうした取り組み全体の中で、「協同労働」の法的裏付けを求める主体と、応援していただける各種のパートナー、有識者を中心にお集まりいただき、労協法とその必要性を改めて訴えるとともに、幅広い法制化推進組織づくりに道をひらくものである。これまで共感していただいた議員、秘書・政審の方々や、官庁関係者の方々にも、情報を共有していただき、お知恵をお借りすることもできればと考えている。具体的には
- 労協法小プロジェクトの検討(労協法2次案およびモデル定款)、およびその後の情勢の進展を踏まえて、改めて法案の趣旨と内容について報告する。
- 日本労協連だけでなく、広く「協同労働の協同組合」に関わる法律を求める団体・個人に集まっていただき、意見を交換する。
- 法案に共感される団体・個人からの賛同・連帯の言葉をいただき、今後のご協力方について、相談させていただく。
- 以上を通じて、参加者の中からなるべく多くの方に「労協法制定推進市民会議」(より広い推進母体)のコア・メンバーになっていただき、同会議の結成につなげる。
*5.19に向けての要請・準備活動そのものを通じて、新たな状況、新たな地平をひらくべく、全力をあげたい。
2.実施要綱(案)
- 主催:日本労協連、協同総研
- 日時:5月19日(金)午後1時半〜4時
- 会場:明治大学駿河台校舎・研究棟第一研究室
- 規模:100人
- 主な内容:
- 挨拶:労協法制定推進本部・大内本部長/日本労協連・永戸理事長
- 法案(二次案等)についての基調報告:菅野
- 記念講演:通産省サービス産業課・加藤敏春課長(追求)
- 「協同労働の協同組合」法の必要性と制定への願い(諸団体)
- 法制化への賛同と「協同労働の協同組合」に対する期待の表明(個人・団体)
- 今後の進め方についての話し合いとまとめ
3.呼びかけ文(別紙)
U 5.19成功に向けての取り組み
1.当日および「市民会議」結成への参加要請と働きかけ
- JA全中、日本生協連などJJC関係
- 大学生協連
- 生活クラブ(千葉、東京中心に)→ワーコレ関係(WNJ加盟団体すべてに案内)
- コミュニティ・ビジネス
- 介護者ネットワーク等、非営利・協同事業組織
- 連合など労働組合関係
- 自治体関係者
- 研究所関係(協同組合関係研究所、市民セクター政策機構、さくら総研など)
- 日弁連・日本労働弁護団/弁護士・税理士
- その他、この際、幅広い要請リストをつくりあげる
- 労協クラブ・労協グループ関係/農業生産者団体
- 協同総研理事・顧問・会員
- マスコミ――つながりのある記者・編集者と各新聞社への連絡
2.連合会・センターの取り組み
- 行動方針を明確にし、各地域の賛同団体・個人とともに、当日、一定の参加( 名)を確保する
- これと並行して、@総選挙における各候補者へのアンケート・要請行動、A当該地域内の大学生協および教員への賛同要請に取り組む
3.検討を終了すべき事項と、当日に向けて用意すべき文書
- 労協法第二次案・モデル定款/現行法制ではカバーできない根拠――以下3つにおける確認
- 協同総研・労協法研究会(宮坂座長――その他、メンバー確定)
- 法律家
- 連合会
- 河野氏・市民法制局への打診・共同検討
- 用意すべき文書
- 基本的なスタンスをまとめたもの(A4二枚程度に、法案の内容、めざすもの・法制化で実現できること――「協同組合基本法」を含む、現行法制ではカバーできない点、海外の法制等世界的な動き)
- わかりやすい「労協のつくり方・運営の仕方」
- 資料集(Q&A)
- 協同集会呼びかけ文(並行して)