第1回 常任理事会 議事録

2000年4月22日 日本労協連会議室

 

出席:常任理事全員(画期的なことですー手島注)

 

・中川理事長を議長に定刻1時30分に議事を開く。

・冒頭、連合会理事長の永戸氏から、公的介護保険施行後のケアを中心とした労協活動の現状とその爆発的な予兆があること。労協法の制定を急ぐという期待が述べられた。

・その後、坂林専務から「研究会など活動」「労協法制定関係の活動」など3月19日以降の活動報告が行われた。補足報告として、内山常任理事からケアワークドライバーの研究会(4月15日)の意義が報告された。手島常任理事からは研究所ホームページに関する補足説明が行われた。そして、特に、5月19日の労協法市民研究会に関して菅野副理事長から補足報告が行われた。

・休憩後、坂林専務からレジュメにそっての検討事項の提案が行われたのち、前回理事会での確認に従い、研究所の4つの機能にそって研究活動の具体化と役割分担を行った。また、7月2日に行なう研究集会と11月に予定している協同集会に関して基本的な内容を決めた。それぞれの決定は以下のとおり。名前は常任理事の中で担当するものを示している。

一 4つの機能

 (1)協同の思想と戦略研究に関わる機能 中川、大谷、富沢、手島(敬称略) 

この分野で協同総合研究所が果たしてきた役割は大きい。今期も世界の協同労働の協同組合、コミュニティに関わる協同組合の実践とその理論・思想を適宜紹介して行きたい。特に西暦2000年ということもあり「レイドロー報告から20年」を100号記念誌として特集する。この20年の間に協同組合をめぐる環境は激変したが、レイドロー報告が指摘した内容は、今日においてもなお新鮮であり、21世紀の協同組合運動の指針を提起しつづけている。研究集会(7月2日)の議論を出発点に、このレイドロー報告がどう実践されたのかを検証しつつ、21世紀の協同組合運動への問題提起を試みる研究会を行う。
(2)地域づくり・仕事おこし研究とサポート機能

  1)地域福祉事業所研究会 飯島、内山、古谷(敬称略)

公的介護保険がスタートし地域福祉にかかわる労働者協同組合の実践に確信が広がりつつある。この分野における協同労働の優位性を確信あるものにするために、「労協でケアに関わる人々を励まし元気づけ、その労働の質を高めることができるサポートシステムとはどういったものか」を、全国の会員に呼びかけ、現在取り組みを進めている「地域福祉事業所」の実践と一緒になって調査研究を行う。

「ケアワーク事業の仕事おこし」と「CWDの仕事おこし」に関するノウハウをまとめる。

これらのまとめを中間期の11月協同集会に結実させる。

  2)環境ビジネス研究会 坂林、古谷、島村(労協連)

環境ビジネスに関係して、2月と4月に研究会が行われた。政府、自治体との政策に関係しながら、新エネルギー(ソフトエネルギー)に関する総合的政策、地球温暖化に対する政策、ゼロエミッションを目標とするリサイクル社会への政策などが地域、自治体レベルで必要とされている。協同労働の仕事おこしという視点でこの分野における研究をおこなう。フロン回収に関して義務化の方向が東京都や国のレベルではじまっている。「フロン回収の仕事おこし」に関するパッケージをつくる。

  3)地域通貨研究会 坂林

通産省の加藤敏春氏らが呼掛けで、全国で「エコマネー」の実践がはじめられている。地域の再生にかかわるベーシックな部分での取り組みとして情報の収集を研究所として行う。

 (3)協同経営・教育の研究とサポート機能  菅野、岡安、鍛谷(敬称略)

  21世紀協同経営論研究会

 地域の再生にとってコミュニティに関わる仕事おこしが重要となっている。地域福祉事業者などもその一つであるが、このコミュニティ事業の経営論をテーマに研究会を組織する。
 (4)労協法の研究と制定サポート機能  菅野、岡安、堀越、小林、島村(敬称略)

  労働者協同組合法研究会  

 法制運動にとって必要とされる研究を継続する。

 研究会としては小人数の担当委員で、「労協法Q&A」「外国法制」「モデル定款」などの検討を行い、スピーディに制定運動をサポートする。適宜、労協法研究会を開催する。

 

二 研究集会

「新しい経済システムと協同労働〜協同労働の理論と思想を深めよう〜」

 7月2日(日)10時30分〜5時

問題提起「レイドロー報告から20年」  中川理事長

中川先生の問題提起を受けて、できる限り多くの会員から、それぞれの研究をベースとして、現代の社会や経済、労働をどう捉え、それを克服する道をどう描いてゆくのかを議論し合う研究集会にしたい。

 

三 協同集会

日時 11月25日〜26日

 2000年協同集会のスローガンとコンセプト

 “仕事おこし新時代”に問う私たちの生き方・働き方

  1) 若者から高齢者まで――協同のまちづくり・仕事おこしを考える

  ――協同の働き方・経営のしくみをどうつくりだすか

  2)公的介護保険元年――非営利協同セクターはどこまで来たか

    ――市民がつくる新しい福祉像:その中間決算を社会に報告する

  3)働く人びと=市民の仕事おこし支援の法制と政策を探究する

  ――労協法をはじめとする、仕事おこし・地域づくりの社会システム


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