『協同の發見』 1999.7 No.87 『協同の發見』目次

研究所だより

坂林哲雄(協同総研専務理事)

 6月19日に「カナダの協同組合事情と新協同組合法」に関する研究会を行いました。新法は昨年3月に議会を通過した統一協同組合法です。研究所ではこの研究会に合わせて、大谷正夫さん、堀越芳昭さんらの執筆で「カナダ協同組合法」の解説と全訳を出版しました。定価は2500円、B5版196頁。

 総務庁主催のシンポジューム(6月22日)で「全米退職者協会(AARP)から何を学ぶか」という短い報告をさせて頂いた。パーキンス理事長が強調していた「信頼」ということについて、改めて考えました。名簿の非公開と会員サービスの高い質以外に、組織運営への信頼を加えることができるように思います。21人の役員を含めて意思決定の場面に一切報酬を受取らないボランティアが存在し、この点が非常に透明度の高い会計処理となり、高い信頼を勝ち取っている理由だと言えそうです。

 第9回会員総会が6月26日(土)明治大学で開かれました。参加は43名。労協連理事長の永戸さんから「市民の目に見える協同総研」をという挨拶を頂いきました。「協同労働」は福祉の分野に限らず就労創出の場においても必ず価値を発揮するでしょう。そのためにも労協法の制定が重要だと思います。総会では役員選考も行われ、新役員9名を含めて新たな体制をご承認頂きました(別紙)。翌27日は同じく明治大学で「21世紀の協同、労働の21世紀」をテーマに研究集会を行いました。参加は56名。8月号の所報で詳細をご紹介します。

 6月30日WNJ(ワーカーズ・コレクティブが法律制定を目的に集まった団体)で菅野さんが「労働者協同組合法」に関する講演を行いました。この間批判されていた問題に関して率直な意見交換を行うことができたと思っています。今後共通の法案作成へ向けた協議をはじめることができればと考えています。

 7月4日「協同の集いin九州&山口」が行われました。会場は、「宅老所いこい」。近所の人からは「郡長(ぐんちょう)屋敷」と呼ばれ、邸内には自然の滝が流れ込む池まである敷地面積2000坪という広大なお屋敷です。集いは、農業や老人給食の取組を紹介するビデオを拝見した後、竹森幸男さんから「福岡県高齢者ふくし生活協同組合」の設立や20年間行ってきた老人給食事業の話があり「一人ぼっちの年寄りをなくす」ことや公的介護保険のもとで「一人も泣き寝入りさせない」体制への決意が語られた。その後、阿部誠さん、吉田省三さん、賀戸一郎さん、鈴木剛さん、蕗谷鷹志さんの順にそれぞれ準備して頂いた報告を聞きました。詳しくは、10月号の所報に掲載予定です。

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総会議案(6月号)を見て頂いた方は既にお気づきだと思いますが、総会で会員を2000人にするという大方針を決めました。情報の相互交流を基本に、多くの会員の方々に協同総研という場が利用されるように、理事会、事務局一丸で頑張って行きたいと思っています。