『協同の發見』2002.3No.117
『協同の發見』目次
会員のひろば
「労協・大分」結成と今後の課題
高野 修(大分県/大分自交労協)
 私たちは、2002年3月3日(日)に「労働者協同組合大分県協議会」(略称「労協・大分」)を結成しました。
結成時点の構成は、日本労協連加盟のセンター事業団九州北事業本部と傘下の日田地域福祉事業所(ヘルパーステーション「虹の家」)ならびに大分事業所、大分自交労協(大分自交労働者協同組合)と傘下の新三隈タクシー(有)、大分自交サービス産業(有)セキタクシー、宇佐参宮タクシー(有)、さらに日本労協連には未加盟ですが加盟を志向している(有)エヌ・アール・ユーの合計8組織(6事業所)です。

「大分県労協連準備会」の活動
 
 この「労協・大分」発足の基礎には、昨年(2001年)3月18日「虹の家」の開所式当日に、センター事業団と自交総連大分地連とが締結した「協力・提携合意書」があります。
その「合意書」で双方は、大分県における事業活動での協力・提携を合意しただけでなく、それぞれの傘下組織の事業と運動を発展させるために「大分県労協連準備会」等を組織して協力・提携関係を強めることも合意しました。
この「協力・提携合意書」の精神に基づき、自交総連大分地連や大分自交労協は、この1年間特にセンター事業団の事業所への援助・協力を強化してきました。
 私たちは、「準備会」を昨年4月2日に発足させ、当初2002年1月中に「大分県労協連」を結成することを予定して、交流や事業と運動への共同の取り組みをおこなってきました。
「準備会」幹事会は、5月12日、11月8日、12月18日、2002年1月15日と4回開催し、準備をしてきました。そして今回「協同の仕事おこしフォーラム イン 大分」の当日に発足することにしたのです。

決定した規約と役員
 
 「労働者協同組合大分県協議会」の結成会議は、「フォーラム」開始前の12時30分から大分県総合社会福祉会館で開かれました。
 「準備会」の代表である私(高野修)から、準備会の活動経過、申し合わせ事項(規約)案、当初役員案等を提案し、満場一致で確認・決定されました。
 決定された「労協・大分」の申し合わせ事項(規約)では目的を次のように規定しました。
(1)「労協・大分」は、日本労働者協同組合連合会(略称「日本労協連」)に加盟する大分県内の各団体・事業所の事業と運動を発展させることを目的とする。
(2)「労協・大分」は、大分県内における労働者協同組合の組織と運動を前進・発展させ、そのことを通じて大分県における「非営利・協同」の事業・運動の発展に寄与するとともに地域経済の活性化および福祉コミュニティの再生に貢献することを目的とする。
 そして、その事業として、次のようなことを掲げました。
(1) お互いの情報交換を通じて意思疎通を図る。
(2) 大分県における各種団体との交流、連帯を強め、「非営利・協同」の事業、運動を前進させるための事業を行なう。
(3) 人材確保、学習・教育・研修などの人材養成を可能な限り共同で行なう。
(4) 技術・能力の向上を図り、社会的に有用な事業の開発に取り組む。
(5) その他目的達成のための事業を行なう。
 こうした事業と運動を取り組む「機関」として、代議員会、理事会、常任理事会を置くことにしました。そして日本労協連総会以降に開催する第1回代議員会までの「当初役員」として理事長に高野修(大分自交労協理事長)、事務局長理事に中瀬隆明(大分自交労協理事)の両名を選任、それ以外の理事として大分自交労協/山野茂利(専務理事)、虹の家/高野和子(所長)、センター大分事業所/宮本貫哉(現場責任者)、エヌ・アール・ユー/甲斐田賢次(代表代行)、センター事業団九州北事業本部/竹森鋼(本部長)の5名を選任しました。なお、常任理事会は、高野修、竹森鋼、宮本貫哉、中瀬隆明の4名としました。

今後の課題
 
 役員挨拶で私は、当初役員の任務として次のような主旨を述べました。
@「内部的には、それぞれの事業所が継続していけるように、事業内容を改善して赤字を出さないようにすることが大切であり、そのために相互援助を強めることが第1。第2に地域住民・利用者のニーズに応え得る事業体質と、希望の持てる地域コミュニティ作りの運動を担える組織になっていけるようにすることだ。」
A「外部的には、協同労働をしている協同の事業体との連携を強め、『労協・大分』の存在を県民に印象付けて行くことだ。」
 「労協・大分」の代表者になつた私は、当然上記の任務を果たす先頭に立つ決意ですが、同時に当日のフォーラムで、参加者から指摘された「我々はどんな応援をしたら良いのか。各団体の事業内容や所在地、どこに行けば製品が買えるのかなどの資料を」との要望に応える情報提供を行なったり、県下に多様に存在する「協同の事業体」の調査活動をして連携の基礎作りを行なったり、やらねばならないことはたくさんあります。これらを他の役員の皆さんと一緒になって、少しずつではあっても取り組んで行きたいと決意しているところです。


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