『協同の發見』2000.9 No.100 総目次
研究所だより

 坂林哲雄(協同総合研究所・専務理事)

 協同集会のタイトルが「いま『協同』を問う」から「いま『協同』を拓く」に変わりました。記念講演をお願いしていたジェイムスロバートソンさんからは快諾の返事が届き、「21世紀経済システム展望」を翻訳された石見尚さん、森田邦彦さんと、日程など歓迎のスケジュールを検討しています。ロバートソン氏は、夫人のアリソン・プリチヤードさん(シュマッハー協会評議員)と共に、11月13日の週には来日され、最初に観光を楽しまれる予定です。京都滞在中に立命館大学での講演も検討されています。関西の方ご注目ください。集会では、「協同と地域:21世紀のための人間中心の開発」との題で、主に人が働くことに関する話しをされます。さらにロバートソン氏を囲む分科会も設けます。アカデミックな議論の場として研究者の方々には、是非ご参加いただきたいと考えています。

 「ワーカーズコープアスラン」がスタートしました。会員の杉村和美さんらが発起人となって準備を進めてきたものです。設立趣意書によれば、「勤めていた編集プロダクションED社が倒産し、5年半にわたって倒産闘争を闘(い)」「争議中、自らの力で仕事を継続(自主生産)したことは、組合員一人ひとりにとっての支えとなり、泣き寝入りすることなく、納得いく解決まで闘い続ける大きな力となりました」と記されています。それが今年5月に和解が成立し、これまでの経験を踏まえて、このワーカーズコープを立ち上げることになったものです。8月8日朝日新聞にも大きく記事が出ていました。研究所から飯島事務局長が理事として参加しています。www.asahi.com/life/shigoto/000808m1.html#top

 6月号の所報で「カナダ・スウェーデンの障害者介助サービスモデル研究」を執筆して頂いた鄭鐘和さんの誘いで、八王子の自立生活センター「ヒューマンケア協会」を訪ねました。ご存知の方も多いと思います。自立生活センターは、1986年からはじめて全国に93ヶ所作られています。障害者の自立生活(地域の中で生きる)のためのプログラムを開発、研修を通じてそれらを提供しているところです。一言で言えば「主体者を作る運動」だと思ったのですが、話を伺っていて、大いに共感し、高齢協運動に取り込むべき内容が豊富にあると感じました。中西庄司代表に「協同集会」への参加をお願いしています。
 
8月26日の第2回協同集会実行委員会の後、センターの事業推進本部が合流し、本格的に事務局がスタートしました。事務所が、京浜東北線東十条駅の側に引っ越して以来、広い事務所に3名という静かな環境の中で仕事をしていたのですが、それが徐々に変化を始めています。月曜から建設労協の薄井さんが毎朝9時に出勤して来ます。今は協賛要請の資料づくりに追われ、事務所の一部が集会事務局となって壁には後援・協賛をお願いする団体の名前が張り出されました。9月〜10月初旬にかけての焦点は、集会企画の確定と後援・協賛の要請活動です。市民が一人一人の参加で成功させようと「個人カンパ1000円」にも取りくみ始め、「隗より始めよ」のことばどおりに集会事務局6人が先ず出し合いました。〆て6000円。協賛金も集まり始めています。

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