「地域連携型のコミュニティ支援事業のあり方-多摩地区をモデルに-」

東京農工大学・協同総合研究所共同研究

平成 20 年 10 月 1 日

 

研究の背景

福祉の民営化が進んでいる。営利企業ではなく、それを市民自身が担ったらどうなのだろうか?その力を市民は持っているのか?この形で進める福祉はどんな性格を持っているのか?それに答えを出そうというのが今回の研究の目的である。

仮説は、市民がその力を持っているということに留まらない。そのこと自身が福祉なのではないかということである。これまで福祉は弱者に対する保護、社会的支援、セフティネットととらえられてきた。そうした側面を否定するものではないが、生き甲斐と出番を作ることで元気に長生きできることが、本来の高齢者福祉のあるべき姿ではないか。介護予防が叫ばれるようになっているが、その実態は必ずしも明らかにされていない、また、財源が厳しい中での財政対策とも違うはずである。その本質的な性格をフィールドワークを通して明らかにしようというものである。

また、それは、働くことを通して実現できるのではないか。その点では、福祉と労働の合体である。しかも、利潤追求を目的とする雇用労働とは違う協同労働によってそれは達成が可能なのではないか。協同労働の性格として地域とコメットする経営がその本質であるからである。これを検証しようというのが第二の目的である。

今回のフィールドは、首都圏の大都市周辺の中規模の都市を設定した。団塊の世代の人達が地域に帰るという条件を加味したからである。この地域で、福祉力やその需要などの調査を徹底し、地域懇談会を行うことで市民が担う福祉関連のコミュニティビジネスを事業として模索し、その結果を評価・普遍化するものである。